カナダのサーカス劇団、シルク・ドゥ・ソレイユ・エンターテイメント・グループは29日、カナダの破産法に基づき会社更生手続きに入ると発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて同社は、3月以降に劇場での上演を停止し、約95%の団員のレイオフを実行していた。その中で、約9億ドル(約960億円)の債務返済が困難となり、日本の会社更生手続きにあたる企業債権者調整法を適用するようカナダのケベック最高裁判所に申請した。また米国でも、外国企業の破産手続きを調整する連邦破産法15章の適用を申請する。これに伴い、レイオフをしていた劇団員を含む3,480人を解雇する。
同社に出資するプライベートエクイティーファンドのTPGキャピタル、中国複合企業の復星国際、加ケベック州貯蓄投資公庫は、シルク・ドゥ・ソレイユの債務引き受けと再生に向けた3億ドルを投じることで合意。カナダ政府のインベストメント・ケベックからも負債を通じ2億ドルの資金を調達する見込み。
シルク・ドゥ・ソレイユは、ラスベガスをはじめとした世界中のIRなどでも幅広く公演されている非常に人気の高いサーカス劇団。日本各地でも1992年から公演が行われている。