東南アジアのカジノ事業者、ドナコ・インターナショナルの主力銀行である兆豐國際商業銀行は、同社に対して、2020年末まで、今月が期限となる500万米ドルの元本返済を延期し、そのファシリティ契約の下での全てのコベナンツ(財務制限条項)への権利を放棄することを認めた。
月曜の報告書によると、今回の延期は2020年6月15日が期限の500万米ドルの支払いに関するもので、12月31日まで延期されている。コベナンツへの権利放棄には、同グループの現金および現金同等物の総額が2020年6月30日およびそれ以降のいずれの時も2,000万豪ドル(約14.9億円)を下回らないよう規定する条項への修正が含まれる。
しかしながら、兆豊国際商業銀行との間で達した合意の条件の下で、ドナコは2020年12月31日以前に行われた資本注入からの受取金は、受け取った時点で500万米ドルの元本支払いに使用しなければならない。
同社は、「ドナコは継続して、流動性対策および出資源を検討し、この世界的に不確実な時に持続可能かつダイナミックな状態にあり続けることを保証していく」と述べた。
ドナコの発表では、タイのベンダー達およびカンボジアのカジノ、スターベガスが建つ土地の所有者たちとの間で和解協定を進めることへの承認をすでに得られたかどうかは具体的に示していなかった。
ドナコは3月、全ての法的手続きを直ちに終わらせ、同社のスターベガス土地リース契約を95年間更新することで、タイのベンダーたちと和解に達したと発表した。
その和解によって複数の訴訟が終わりを迎えることになる。その中には、ドナコが1.9億米ドルの損害賠償を求めていたシンガポールでの仲裁請求やスターベガスの50年間の土地リース契約の混乱をめぐるカンボジアでの訴訟が含まれており、その両方がベンダーが競合禁止条項に違反してポイペトでゲーミング営業を継続したというドナコの主張に関係している。
ドナコは当時、そのファシリティ契約の規定に基づいて、ベンダーたちへの未払の賃料と2,000万豪ドルの支払い、そして競合禁止条項の廃止に関して銀行の承認を待っていると述べていた。
同社は最近、アリスト・インターナショナル・ホテルにある同社のベトナムのカジノを限定的に再開したが、スターベガスはカンボジアのフン・セン首相による4月上旬の休業命令を受けて、営業を停止したままになっている。