メイバンクのアナリスト、サミュエル・イン・シャオ・ヤン氏によると、ラスベガス・サンズが所有・運営するシンガポールのカジノ、マリーナベイ・サンズ(MBS)によるマネーロンダリング防止法への違反の可能性に関する捜査によって、国内のライバルであるリゾートワールド・セントーサ(RWS)がかなりのVIPシェアを奪う可能性が出てきた。
金曜、ブルームバーグは、米司法省がMBSの元コンプライアンス責任者に対して召喚状を送り、VIPプレイヤーの口座に関する書類およびその他全ての情報を提出するよう求めたと伝えた。報道は、米連邦検察当局がジャンケットの使用またはカジノクレジットを使用した第三者貸し付けに関する違反の可能性とともに内部告発者に対する報復があったかどうかを捜査していると主張している。
レポートの中でイン氏は、MBSが、LVSの別の子会社であるサンズ・チャイナの元CEO、スティーブン・ジェイコブス氏が起こした訴訟に関連して2010年にも司法省の捜査を受けていたことを引き合いに出した。その時には、RWSはシンガポールのVIP市場でのシェアが過去最高の67%にまで急増する経験をし、その後半年に渡って50%以上を維持した。それに対して2010年1月のオープニング以降、シンガポールのVIP取扱高におけるRWSのシェアは平均47%だった。
イン氏は、「我々は、MBS、サンズ・チャイナまたはLVSのいずれの会社も一切の疑惑において有罪または無罪だった、または現在そうであるかどうかなどは推測しない。恨みを持つ元従業員に対処しないで済んだ会社などあっただろうか?
我々が推測するのは、VIPは捜査中の、特に司法省の捜査を受けているカジノを避ける傾向にあるということだ。
歴史から学ぶとすると、我々はRWSがVIPのシェアの増加から利益を得る可能性があると推測する。今同社がすべきは、営業再開のみだ」と述べた。
MBSとRWS両施設の営業は新型コロナウイルス感染拡大の影響で4月7日から停止している。