サウスショア・ホールディングスの元CEOであるウォルト・パワー氏が、ホートラム(ホーチャム)プロジェクトの最高執行責任者に指名されたことを受けて、歴史的に多くの問題を抱えるベトナムの統合型リゾート、ホーチャム(Ho Tram)の運命を逆転させることを誓った。
パワー氏がホートラムを引き継ぐことになる前の昨年7月、米プライベート・エクイティ投資会社のウォーバーグ・ピンカスが同施設の親会社であるアジアン・コースト・ディベロップメント(ACDL)の過半数株を取得した。地元の投資・資産運用会社、ビナキャピタルも株式を取得しており、所有権の変更が最終的に4年以上の時を経てマイケル・ケリー氏の辞任につながった。
Inside Asian Gamingの独占取材の中で、パワー氏は、ホーチャムへの計画について、施設が2013年のオープン以来、東南アジアのIRシーンにインパクトを与えようと苦戦しているにも関わらず、その見通しについて「極めて楽観的」だと述べた。
以前には、サンズ・チャイナの子会社であるベネチアン・マカオ・リミテッドの業務部シニアバイスプレジデントやスタジオシティの最初の開発会社であるニュー・コタイ・エンターテイメントの最高執行責任者なども務めてきたパワー氏はこう述べた。「施設の歴史を見てきた人たちは、その課題をよく認識している。しかしそれらの課題があるから、好機がやって来る。
私は、適切な戦略、適切なチーム、そして積極的な実行があれば、成功を手にすることができると常に感じてきた。マカオでは17年間働き、暮らしてきた。その時間は私にとって大切なものだが、その規模が原因で、今マカオで目立った変化をもたらすのは非常に難しい。ほぼ空母のようなもので、たった数度左または右に動かすのでさえ、大きな努力が必要だ。
ここホートラムでは変化を起こせると確信している。だから、ここで起こっていることについてワクワクしているし、楽観的に見ている」
パワー氏の最初の仕事は、ザ・グランド ホートラム・リゾート&カジノに対する彼のビジョンを実行する質の高いチームを開発することになるだろう。同施設は、ホーチミン市から車で約2時間のベトナム東南部沿岸に位置する壮大な統合型リゾートで、541室の高級ホテル客室、グレグ・ノーマン設計のゴルフコース、広々としたプールデッキを備えており、559室を持つ第2タワーの完成が近づいている。
同氏は、「私の個人的な事業哲学は、どんなエリート組織、ベルリン交響楽団であろうとアメリカ海兵隊であろうと、正しいチームメンバーを選び、彼らを他の誰よりも優れた人材になるよう訓練するというものだ。
それが今後の私の哲学だ。ここホートラムで、私よりも自分が活躍できる分野とIRのコンポーネントを理解している人々を周りに置き、彼らを訓練・サポートし、そして確実にチームとして積極的に実行するようにしていくことだ」と述べた。
ホートラムは当初はACDLとMGMリゾーツの合弁事業であったが、MGMは、同施設が一連の開発、資金調達そしてライセンス供与の遅れを経てオープンにこぎつける前に取引から手を引いた。
代わりに、米実業家のフィル・ファルコン氏が創業し、最近までACDLの過半数株主であったヘッジファンドのハービンジャー・キャピタル・パートナーズが、最終的に国民のギャンブルを認めるベトナム初のライセンスの1つが与えられるという想定の元で、プロジェクトに追加資金を注入した。
最終的にはまだそうなってはいないものの、パワー氏はIAGに対して、その問題によって目の前の仕事に集中できなくなるようなことにはさせていないと話した。
同氏は、「かなり率直に言って、この場所が成功するために、国民へのギャンブルが許可されることを当てにはしていない。ホーチミンには非常に大きな駐在員コミュニティ、出張目的で往来する外国人の大きなコミュニティがある。ベトナムでは、製造、建設そして観光の爆発的増加があり、そしてそれが海外からの多額の直接投資を惹き付け、一緒にカジノ好きの旅客を連れてきた。
だから、我々の主要ターゲットは現地市場の中にいる外国人だ。地域を通り過ぎる外国人客と合わせれば、成功できると確信している」と述べた。