オーストラリアに上場するゲーミング投資会社で、ネパールで2軒のカジノを運営するシルバー・ヘリテージ・グループが任意管理手続き(日本の民事再生法に相当)に入った。
同社は、メインの貸し手であるOCPアジアから待望の資金を提供されてからたった数カ月後に、新型コロナウイルス感染症の世界的流行によってネパールのカジノが営業停止を余儀なくされたことに続いて、月曜、KPMGを管理人に指定したと発表した。
シルバー・ヘリテージはまた、具体的にはタイガーパレスリゾートバイラワとカトマンズにあるミリオネアズクラブといったネパール資産の売却の可能性を含めた、流動性向上のための別の選択肢も模索している。
同社は発表の中で、「当社は流動性を生み出す選択肢を模索してきました。そして新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が発生する前は、取引の可能性に関して複数の相手先から関心を示されていました。
しかしながら、COVID-19の発生、そして当社のネパールの施設の一時的な休業の結果、その取引のうちの1つの完了に関するタイミングが不確実になりました」と述べた。
シルバー・ヘリテージは、OCPアジアからこれ以上の支援を提供したくない旨を通告されていると付け加えた。
同社は、「取締役会は、これらの事が起こったことを遺憾に思っており、グループの全従業員の努力と貢献に感謝している」と述べた。
シルバー・ヘリテージは、2017年12月にタイガー・パレスの開業が長期にわたって遅れ、およそ1,200万米ドル(約12億9千万円)もの予算も吹き飛ぶなど、近年、様々な障害に直面してきた。
シルバー・ヘリテージはその後の2019年3月、施設の投資証明書に修正が加えられ、ゲーミングテーブルの営業がこれ以上許可されないとなったために、同社がゲーミング管理サービスを提供していたベトナムのフェニックスインターナショナルクラブでのカジノ営業が閉鎖されたことで、大打撃に苦しんだ。
フェニックスは2018年、グループ全体の収益の約45%を占めていた。