メルコリゾーツ&エンターテインメントは、マカオ、マニラ、キプロスにある施設の営業停止、そしてマカオ-中国本土間の入境制限が続いていることが大きな打撃となり、19年第1四半期の利益1億2,010万米ドル(約128億5,700万円)から、20年第四半期は3億6,400万米ドルの純損失に転落した。
グループ全体のGGRは40%減の9億6,400万米ドルであった一方で、調整後の施設EBITDAは82%減の7,500万米ドルだった。しかしながら、VIP部門での高いホールドがなければさらに酷い結果になっていただろう。平準化EBITDAは1,200万米ドルだった。
業績発表と同時に発表した声明の中で、ローレンス・ホー会長兼CEOは、流動性を保持するために四半期配当を見送る決断を下したことを明かし、「現在の状況を踏まえた堅実な方針」だと述べた。
ホー氏は、「メルコは堅実な姿勢で、継続してバランスシートを管理していく。2020年3月31日時点で、当社は12億米ドル以上の現金及び現金同等物を持っていた。
2020年4月に新たなシニア融資枠契約を結んだことで、引き出していないおよそ16億米ドルの回転信用枠がある。加えて、クラウン・リゾーツに保有していた株式の売却を行ない、合計でおよそ3億5,500万米ドルの売却代金を得たことでさらにバランスシートを増強した」と付け加えた。
施設の苦境
旗艦施設のシティー オブ ドリームス マカオでは、営業総収益が4億6,770万米ドルへと34.4%減少し、調整後EBITDAは19年第1四半期の2億2,860万米ドルから、6,100万米ドルに減少した。
ローリングチップ取扱高は86.5億米ドルへと15.6%減少したが、VIPのGGRは、4.11%という高いウィンレートによって実際は3億5,600万米ドルに微増した。
マステーブル・ドロップ(掛け金)は56.7%減の5億7,000万米ドルとなり、勝ち金も1億9,200万米ドルへと同レベルの減少となった。スロットマシン投入額は48.0%減の5億2,000万米ドルで勝ち金は2,000万米ドルだった。
スタジオシティでは、営業収益が58%減の1億3,660万米ドル、調整後のEBITDAは9,640万米ドルから940万米ドルに減少した。
20年第1四半期、ローリングチップ取扱高は48.2%減の13.8億米ドルとなり、VIPの勝ち金は4,500万米ドルへと49.8%減少した。
マステーブル・ドロップは19年第1四半期の8億5,140万米ドルから3億5,280万米ドルに減少し、マスの勝ち金は62.2%減の9,100万米ドルとなった。スロットマシン投入額は44.5%減の3億1,100万米ドルで、勝ち金は1,000万米ドルだった。
アルティラではGGRが8,200万米ドルへと63%減少し、モカクラブでは1,800万米ドルへと42%減少した。
フィリピンでは、シティー オブ ドリームス マニラで営業収益が前年比22.5%減の1億1,030万米ドル、調整後のEBITDAは51.1%減の2,960万米ドルとなった。
ローリングチップ取扱高は49.4%減の11.6億米ドルとなったものの、マカオのシティ オブ ドリームス同様、3.72%という高いウィンレートに助けられた。VIPのGGRは40.8%減の4,300万米ドルだった。マステーブル・ドロップは14.7%減の1億5,700万米ドルで、マスのGGRは8.4%減の5,200万米ドル、ゲーミングマシン投入額は8億5,920万米ドルへと微減し、勝ち金は3,600万米ドルだった。
4つのサテライトカジノと建設中のシティー オブ ドリームス メディテラニアンの近くにある一時的な施設からなるキプロスにあるメルコのカジノの営業総収益は1,880万米ドル。19年第1四半期は2,130万米ドルだった。