投資顧問会社のサンフォード C バーンスタインによると、規制上の、そして現地の情勢に劇的な変化がない限りは、ラスベガス・サンズ(LVS)が再び日本のIRライセンス獲得レースに参戦する可能性はかなり低いという。
今週まで横浜での統合型リゾート開発の最有力候補と見られていたこの世界的カジノ大手は火曜、日本からの撤退という衝撃的な発表をし、「IR開発に関する枠組み」によって同社の日本での目標が達成できなくなったと理由を説明した。
LVSは以前、3,600万人の人口ベースを持つ首都東京が理想的なIR開発地であることを示唆していたものの、バーンスタインは同社の撤退発表直後のレポートの中で、近い将来同社が日本に戻ってくる可能性は低いと述べた。
アナリストのヴィタリー・ウマンスキー氏、ユーニス・リー氏、そしてケルシー・ヂゥー氏はこのように述べた。「LVSが将来、日本レースへの参戦者の中に戻ってくることはあるのか?ひょっとするとあるかもしれない、しかし決して可能性は高くない。
サンズは常に、東京に最も期待を寄せてきた(そして東京が正式にカジノレースに参戦しなかったことで、大阪と横浜を見るようになっただけだ)。
東京は今、2021年に延期されたオリンピックの問題を抱えている。日本の手続きもまた、新型コロナウイルスの流行によって先送りになる可能性が高い。2020年中に、そして2021年の初めに都道府県レベルでRFP(事業者公募・選定)の勝者を決め、そしてその後21年下半期に国レベルで最大3つのライセンスを供与する計画はほぼ確実に先延ばしになるだろう。今とその時で状況が大幅に変わる可能性もある。(中略)東京が誘致レースに参戦するかもしれない。しかし、そもそも撤退したのと同じ理由から、(明らかに東京で勝てるチャンスがない限り)サンズが戻ってくる可能性はごくわずかだ」
新型コロナウイルスの影響がLVSのラスベガス、マカオそしてシンガポールの国際的なゲーミング営業をタイミング悪く低迷させている一方で、バーンスタインはこれはほぼ確実に同社の日本撤退を後押しした主な理由ではないと述べた。
代わりに、アナリストたちは、政府が10年間のみのライセンスを発行すると主張していること、そしてそれによって銀行が融資に及び腰になっていること、加えて、投資に対する期待の高まりや国民へのギャンブル制限方針などを今回の決断要因として指摘した。
バーンスタインは、「国民への制限が増え続ける100億米ドルを超える開発は、よりリスクの高いオプションになっている」と述べた。