マカオ司法警察賭博関連犯罪部門の元トップを務めていたアドリアーノ・ホー氏が、パウロ・マーティン・チャン氏に代わってゲーミング監察協調局(DICJ)の局長に就任する予定であることをマカオ・ニュース・エージェンシーが報じている。
報道では、ホー氏は6月にマカオのゲーミング規制機関であるDICJのトップに就任する準備ができていると伝えられており、複数の情報元によると、チャン氏は以前次長検事を務めていた検察庁に戻るという。
DICJは、Inside Asian Gamingが問い合わせた際、報道については聞いたことがなく、その件についてのコメントも発表もないと述べた。
ホー氏は、2014年からマカオ政府保安司司長の黄少澤(Wong Sio Chak)氏への極めて重要なアドバイザーを務めており、また現在、保安司司長弁公室(Office of the Secretary for Security)の旅遊危機処理弁公室(Tourism Crisis Management Office)の代表も務めている。
ホー氏はまた、2004年から2010年までは国際刑事警察機構(INTERPOL)の国家中央事務局マカオ支局のトップを、2010年から2012年までは司法警察犯罪捜査局局長、そして2012年から2014年までは賭博及経済犯罪捜査局局長を務めていた。
昨年同氏は、ゲーミング事業者および警備部門とカジノセキュリティの強化を協議する会議に、保安司司長弁公室の代表としてDICJと共に出席していた。この前の2019年1月、ギャラクシー・マカオの外で禁止区域での喫煙を注意された中国本土出身の男に警察官が襲われそうになり威嚇射撃をするという事件が発生していた。
2015年12月にDICJ局長に就任したチャン氏の任期は、昨年末ごろに2020年12月1日まで12カ月間延長されており、それを考えると、今回ホー氏がチャン氏に代わってそのポジションに就任するということであれば、通常ではあり得ない政府による完全なる方針転換を意味している。マカオの公職に就く人物が早期に退くことは非常に珍しいことだ。