横浜市は10日、成人の市民でギャンブルなどの依存症が疑われる人の割合が0.5%とみられるとの調査結果をまとめた。同市が健康対策として普及啓発する際に利用し、同市が誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)の準備に向けた依存症対策などに役立てる方針だ。日本経済新聞が伝えた。
それによると過去1年間のギャンブルなどの依存症の疑いがある人の割合が0.5%で最もお金を使ったのは「パチンコ・パチスロ」だった。依存症が疑われる人の賭け金の中央値は月3万円だったという。調査は2019年12月から20年3月にかけ、横浜市内の18~74歳の男女3,000人を対象に面接調査を実施した。回収率は42.1%だった。
なお、一般財団法人ギャンブル依存症予防回復支援センターによるとギャンブル依存症の定義としては「パチンコや公営競技のような賭け事にのめりこむことにより、日常生活又は社会生活に支障が生じ、治療を必要とする状態」を指す。
「賭けることを楽しむ」という当初の健全な動機が別の動機にすり替わることが発症の引き金となり、すり替わる動機には次の要素がある、とされる。
①負けを取り戻す(負け追い)
②より強い興奮を味わう
③イライラ・ゆううつ感を解消する
④賭けていると落ち着く
これらの動機には「楽しくなくなった(飽きた)から止める」という歯止めが効かない。それゆえ遅かれ早かれ、次のような行動がみられる。
⑤ギャンブルに関することが頭から離れない
⑥上手に加減できない
というとらわれの状態に陥り、その結果
⑦ギャンブル関連の嘘をつく
⑧大切な人間関係の危機
⑨ギャンブルを原因とした借金
が生じる。
DSM5(精神障害診断基準集:米国精神医学会作成)では上記の①~⑨のうち4つ以上が満たされた場合に「ギャンブル障害」と診断。このうち①「負け追い」は重要な鑑別症状となる。