マニラにあるブルームベリー・リゾーツのエンリケ・ラソン・ジュニア会長兼CEOは、2020年を不毛の年と述べたものの、同社が現金に困る心配はないと話す。
エンターテインメント・シティにあるフィリピン市場トップのソレアリゾート&カジノを所有・運営するブルームベリーは、PAGCORがルソン地域の全ゲーミング営業を3月15日から4月12日まで停止するよう命令を下したことで、カジノおよびリゾート営業の大半の休業を余儀なくされている。営業停止はその後4月30日までに延長された。
今週のブルームバーグTVとのインタビューの中で、ラソン氏は2020年の残りの期間にはあまり期待していないと述べたものの、ブルームベリーは新型コロナウイルスのパンデミックを乗り切れるだけの健全な財務状態にあると主張した。
「もちろん、営業停止中、ホテルに長期滞在のゲストはいるものの、実際は全くキャッシュフローが発生しない。しかし、当グループの現金持高はかなり健全だ。今年については帳消しにできるのは当たり前だ。しかし本当に心配はいらない」
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領によるコミュニティ隔離措置が最終的に解除された後で、いつ頃カジノ客が戻ってくると見ているかという質問に対して、ラソン氏は、「人々はこのウイルス、そしてロックダウンから多大な影響を受けており、お金の使い道としては食料購入にのみ集中しなければならない状況だ。政府は現金を給付すべきだ。
これが終わった後、貯蓄率は飛躍的に上昇すると思う。だから、個人消費がそうすぐに回復するとは思えない」と答えた。
2019年には連結純利益が99億比ペソ(約212億円)へと38%の伸びとなったラソン氏のカジノビジネスが失速している一方で、同氏は自身が財産を築き上げたフィリピンの港ビジネスで忙しくしている。インターナショナル・コンテナ・ターミナル・サービス(ICTSI)の会長兼CEOでもあるラソン氏は、大手輸送会社であるICTSIは、同社が持つマニラの港に到着する輸送コンテナの数が1日約4,000個から50個以下にまで減少したことを受けて、全国の主要地域に食料や医療装置を早急に運ぶために、24時間体制で稼働していると述べた。
同氏は「今では1,000から2,000個にまで戻したので、良くはなっている。
日々少しずつ前に進んでおり、必死で努力している。トラックや物資ははるかに自由に移動することができ、我々は輸入業者に倉庫を開けて、貨物を受け取るよう要請している。特に人々を食べさせるために必要な物資、特に食料品、医療装置、薬…我々は必死で努力しており、港に残されたままになっているコンテナには非常に高いペナルティを課している。
人々に食料を与えなければならない。彼らに薬を与えなければならない。政府は入ってきている全ての貨物を必要としている」と述べた。
ブルームベリーとICTSIの両方が2020年を通じて収益の大幅減少に苦しむと予想されている一方で、ラソン氏は企業の利益が主な焦点になることが許されるべきではないと指摘した。
同氏は「全てのことが未曽有の自体であり、計算することすらしていない。より重要なのは人々の不安だ。彼を食べさせられるかだ。経済界の懸念はこの時点では後回しだ。
肝心なことは、ただただ経済の流れ、物資の流れを維持しておくこと、感染率を下げること。それからロックダウンの解除について考える。
この状況でロックダウンを解除することは、非常に厄介だろう。その日その日のことだけでなく、しっかりした計画が必要だ。そして、多くの人がそれがどれだけ大変な仕事かを理解していないと思う」と述べた。