JPモルガンによると、2020年、マカオのカジノ事業者たちは、一日当たり平均で3億500万パタカ(約41億4,240万円)以上のゲーミング粗収益を生み出せば損益分岐点EBITDAを達成でき、キャッシュフローの損益分岐点は一日当たり3億9500万パタカとなる。
新型コロナウイルスによる入境制限で大半のゲーミング営業ができていないことを考慮して、キャッシュバーン(現金燃焼)と流動性を分析した月曜のレポートの中で、アナリストのDS・キム氏、デレク・チョイ氏、そしてジェレミー・アン氏は、損益分岐の値は2019年のEBITDAの約40%、キャッシュフローの50%を意味していると述べている。
3月の一日当たりの平均収益が、必要なキャッシュフローレベルの半分以下のたった1.7億パタカだったことを考えると、その基準は今のとこは依然少々遠い数字であり、4月には7,000万パタカにまで減少すると予想されている。
それにもかかわらず、さらに酷いケースを想定した「ほぼゼロ収入」期間でさえも、JPモルガンはマカオのコンセッション保有6社全社に「十分な流動性」があり、1年以上は生き延びることができ、潤沢な現金を持つギャラクシーエンターテインメントグループの場合は最長で6年間は耐えられると話す。
キャッシュと金融商品に加えて 回転信用枠の能力を含む流動性でランク付けすると、ギャラクシーが特に好位置につけており、手元には68億米ドルがある。その後に続くのがサンズの45億ドル、SJMの33億ドル、メルコリゾーツの27億ドル、ウィンの22億ドル、そしてMGMチャイナの10億ドル。
JPモルガンは、「それぞれのキャッシュバーンに対して、ギャラクシーは収入無しで6年以上(または、第3フェーズを完成させたとしても5年間)生き延びられるほどの十分な現金を持っており、SJMは4年間(グランド・リスボア・パレスを完成させたとしても3年間)、サンズ/メルコ/ウィンは約2年間、そしてMGMは1年以上生き延びることができる」と述べた。
同投資銀行はまた、マカオの事業者たちには緩い維持条項が設けられており、残存期間はまだ「何年も先」であることも指摘した。
アナリストたちは、「サンズとMGMはすでに2021年半ばまで返済を猶予されており、(中略)ウィンとメルコは、どちらにしても十分すぎる程の手元資金を持っていると同時に、コベナンツテストに容易にパスできる有利な融資構造を持っている。そしてギャラクシーとSJMはネットキャッシュがプラスの状態にある」と述べた。