マニラでカジノおよびゲーミングを運営する事業者たちは、フィリピンのゲーミング規制当局、PAGCORが首都圏での全ゲーミング営業の1カ月間停止命令を日曜に発表したことを受けて、大幅損失、開発遅延そして収益への長引く影響に関して警鐘を鳴らした。
ロドリゴ・ドゥテルテ大統領は新型コロナウィルスの感染拡大を遅らせることを狙いにコミュニティ隔離を実施しており、その延長となるこの命令によって、マニラにある4つ全ての統合型リゾートは、首都圏にあるPAGCOR所有のカジノ、そして全ての電子ゲーミング(eゲーム)、ビンゴ(従来型および電子)、スポーツくじ、ポーカーそしてスロットマシンクラブと並んで、日曜夜、その扉を閉めた。
子会社のプレミアム・レジャー・コープがシティー オブ ドリームス・マニラの株主となっているベルコープは、休業の結果としてその収益の分配は止まるだろうと述べ、別の子会社であるパシフィック・オンライン・システムズ・コーポレーションを通じたくじ売上はコミュニティ隔離の実施による影響を受ける可能性があると述べた。
ウォーターフロント エアポート ホテル & カジノ マクタンとウォーターフロント セブ シティ ホテル アンド カジノを運営するウォーターフロント・フィリピンは、すでにCOVID-19の結果としてキャンセルや売上低下に苦しんでおり、客室稼働率と収益は平均から55%減少し、「財務体制の弱体化につながり、費用削減策の実施を余儀なくさせている」と述べた。
同社は、「政府によるさらなる制限の導入は、残念ながら当社の財務諸表上で大幅損失を計上することにつながり、今後数カ月間の営業に多大な影響を及ぼすことになるだろう」と付け加えた。
PHリゾーツ・グループは渡航制限とコミュニティ隔離は、建設作業員および物資の確保の問題から、セブで行っている3.41億米ドル(約362.24億円)規模のエメラルドベイリゾートアンドカジノの開発に影響を与える可能性があると警告した。ボホールにあるブティックホテル、ドナテラ ホテルの営業もまた、予想される稼働率の低さによって大きな影響を受ける可能性がある。
一方で、ソレアリゾート&カジノを運営するブルームベリー・リゾーツは、すでに新型コロナウィルスの拡大を阻止するための独自の健康及び安全対策を実施しており、PAGCORの指導にも従うと述べた。しかしながら、同社は渡航禁止や新型コロナウイルス感染リスクが中国や他の国または地域からフィリピンやマニラ首都圏へとやって来る人の数を減少させ、それに続いてブルームベリーのビジネスにもマイナスの影響を与えることになると付け加えた。
近隣のオカダ・マニラは、予想される減収への対応として人件費を含む様々な経費の削減を予定していると述べた。
マニラのゲーミング営業は、政府が課す首都圏のコミュニティ隔離の期間中は停止したままになる予定で、現時点では4月14日まで続くことになっている。