米カジノ大手のシーザーズ・エンターテイメントが、米国にある施設では新型コロナウィルス(COVID-19)の感染拡大によるビジネスへの影響は一切見られていないと述べ、代わりにアジアVVIPセグメントでは2020年の「素晴らしいスタート」を切ったと主張している。
しかし、同社は世界で感染者数が増加し続ければ、今後数カ月間にラスベガスへの国内旅行が減少に直面する可能性は非常に高いままであることを認めた。
昨日行われたシーザーズの19年第4四半期決算報告の中で、新型コロナウイルスの潜在的な影響が話題の中心に上がっており、アナリストたちからは経営陣に対して、これまでに同社の数字への認識できるような影響はあったか、そして感染拡大防止のためにどのような対策を取っているのかという質問があがった。
昨年、間もなく行われる合併の間、シーザーズの監督役に指名されたエルドラドのCEO、トニー・ロディオ氏は、「これまで、一切ビジネスへの影響といったものが見られていないと言えることを嬉しく思っており、いい意味で驚いている。
実際のところ、アジアからのVVIPビジネスによって2020年の素晴らしいスタートを切っている。その立役者はゲイリー・セレスナー、そして彼が率いるアジアマーケティングチームだ。彼らは素晴らしい仕事ぶりで同部門のビジネスを育てている。毎年何度も出張し、12月はかなりの時間をそこで過ごし、そのセグメントで本当に好調な第1四半期につながると考えたものを準備してきて、それが実を結んでいる。
我々は、多くのメトリクス、ダッシュボードおよび項目を日々追跡しており、今後何かマイナスに転じるような前兆があるかを確認している。繰返しになるが、まだ何も見られていないことを報告出来て嬉しく思う」と述べた。
ロディオ氏は、アジアVVIPはシーザーズの総収益のおよそ1%という比較的少ない割合に留まっていると述べたものの、その数字は第1四半期中に増加すると予想した。
しかしながら、シーザーズのトップは、新型コロナウィルスが国内マス市場収益により大きな潜在的脅威となっていることを認めた。
ロディオ氏は、「この新型コロナウィルスがどちらの方向に向かうのかによって、今後のより大きな懸念は、アジア人客との接触を恐れてラスベガスへの国内旅行のキャンセルが見られ始めることだ。
我々は現在、緊急対応策と運営計画を確認しており、実際、市場で団結し、そして政府機関と協力していくことを目指している。現段階では我々が調整したことの全てを話すことはできないが、ちょうど今その種の計画に着手しようとしている」と述べた。
シーザーズは、債務に関連する利息の支払い増加を背景に、前年第4四半期は1億9,800万米ドル(約218億7,510万円)の利益を報告したのに対して、19年第4四半期は3億400万米ドルの純損失を報告した。シーザーズでは収益が21.7億米ドルへと2.6%増加し、希望退職制度の導入と、日本でのIRレースからの撤退が一部要因となって年間1億米ドルの費用が削減されたにもかかわらず、今回の損失計上となった。