12日午後7時半ごろ、IR(カジノを含む統合型リゾート施設)をめぐる汚職事件で中国企業「500.com」から複数の賄賂を受け取ったとして収賄の罪で起訴された秋元司衆議院議員(自民党=離党)が、東京拘置所から保釈された。東京地裁が月曜、秋元被告を保釈保証金3,000万円で保釈することを決定し、すでに全額が支払われたものの、検察側はこれを不服として準抗告していたが棄却された。
秋元議員は昨年12月25日に逮捕されて以来、3つの異なる収賄容疑で合わせて約760万円相当の賄賂を受け取ったとする収賄罪で起訴されている。弁護人によると、秋元議員は一貫して無罪を主張しており、会期中の国会に出席する意向を示しているという。
東京地検特捜部は秋元議員を保釈すれば証拠隠滅のおそれがあるとして、保釈に強く反対したとみられるが、裁判所は現職の国会議員である秋元議員の逃亡のおそれは低く、証拠隠滅のおそれも低いと判断したとみられる。
ただ、否認している被告が起訴直後に保釈されることは極めて稀であり、昨年12月に日産自動車のカルロス・ゴーン元会長の事件で保釈が認められ、海外への渡航が禁止されていた保釈中に同氏がレバノンへ逃亡し、保釈を認めた裁判所の判断を批判する声も出ている中での判断となった。