東南アジアでカジノを運営するドナコ・インターナショナルが、カンボジアのポイペトにあるスターベガスのタイ人ベンダーとの間で、和解に向けた協議に入っており、現在複数の法域で行われている訴訟に終止符を打つことを目指している。
この協議は、現在進んでいる3つの異なる訴訟に関連している。その1つ目が、ドナコが1.9億米ドル(約205億円)の損害賠償を求めているシンガポールでの仲裁請求、2つ目がスターベガスの50年間の土地リース契約をめぐるカンボジアでの裁判、そして3つ目が、ベンダーたちが所有するオーストラリアのドナコ株売却への凍結命令だ。
3つ全ての訴訟が、以前の取引関係から生じている。タイ人ベンダーたちは当初、スターベガスに隣接する建物内でゲーミング施設を運営する許可を与えられていた。同契約ではドナコが月額500万バーツ(約1,750万円)タイ人ベンダー側にを支払っていたが、同社は2017年に契約が期限切れとなった際、更新しないことを選び、新たな運営契約は結ばれなかった。
ドナコが、ベンダー側による競合禁止条項に違反したゲーミング営業の継続に異議を唱えた時、彼らはドナコのスターベガスの土地リースを終了すると脅しをかけた。
長期にわたる争いが始まってから3年が経過し、月曜、ドナコは、当事者間で和解協議を行えるよう両者間の全ての訴訟問題を2カ月間延期する基本合意書をタイ人ベンダーとの間で交わしたことを明かした。
ドナコは、「この延期はタイ人ベンダーに対するシンガポールでの仲裁請求、カンボジアでのリース訴訟、そしてカンボジア、タイおよびオーストラリアでのその他全ての訴訟問題に適用される」と述べた。
ドナコは、3人の取締役が解任され、その後ポール・アーバックルCEOが辞任を発表した波乱に富んだ年次株主総会を受けて、最近、取締役会の大改造を行なった。