宮城県は21日、IR(統合型リゾート施設)誘致の可能性を探る調査報告書案を公表した。全体整備費を約3,300億円と試算し、投資額の回収に20~46年かかる「過大投資」を懸念。鈴木秀人経済商工観光部長は「IR導入の可能性は厳しいと受け止めざるを得ない」との認識を示した。河北新報が伝えた。
宮城県は、東北地方の経済的中心地。同地方の交通要衝ハブである仙台空港周辺を候補地として、「特定複合観光施設導入可能性調査」を七十七リサーチ&コンサルティング株式会社(七十七銀行グループ)に委託。IR誘致による経済効果を東日本大震災からの復興に繋げられるか、調査を続けている。
調査報告書案によると、開業は2025年、仙台空港周辺での立地を想定。全体開発投資額は約3,300億円、5年後の年間利用者数は285万~539万人と予測。経済波及効果は施設整備で5,100億円、開業後の施設運営で年間1,500億円以上と試算した。
宮城県知事は、国が整備地域の選定基準を盛り込んだ基本方針を決定すると思われる2月から3月を目処に、IR誘致に取り組むかどうかの方針を決定するとみられる。昨年11月に北海道知事がIR誘致の見送りを発表したため、宮城県は現在、北海道・東北地域で国にIR区域整備計画を申請する可能性がある唯一の都道府県・政令市となっている。