カンボジアで統合型リゾートを運営するナガコープは、同社の従業員の賃金および福利厚生体制を「カンボジアで最高とまでは言わないが、トップクラス」だと説明し、500から700人の労働者集団が木曜、プノンペンにあるナガワールド複合施設の外で抗議した後に友好的な話し合いに参加しなかったとして組合リーダーたちを非難した。
先週の現地メディアの報道によると、最大3,000人の従業員が、賃上げと労働環境の改善を求めてスト活動に加わり、現在の初任給が150米ドル(約16,416円)から250米ドルの間だと主張して、ホテルスタッフの賃金を月額300米ドルへ、そしてゲーミングフロアの従業員の賃金を500ドルへと引き上げるよう要求した。労働者たちはまた、ナガワールドの元従業員で、「Labor Rights Supported Union of Khmer Employees of NagaWorld(ナガワールドのクメール人従業員の労働者権利を守る組合)」のトップ、チェム・シタール(Chhim Sithar)氏の復職も求めた。
金曜、労働問題に関する「不正確かつ一方的なメディア報道」に対して強い言葉で自社を擁護した約8,200人の労働者を抱えるナガコープは、「従業員には高い賃金と追加給付が支払われている」と述べ、ホテルの新入社員には手取りで月額270米ドルの初任給を支払い、カジノの新入社員には385米ドルを支払っていると主張した。同社は、従業員には現金ボーナスや、最近実施された言語習得奨励プログラム、食べ放題の食事、ナガマートでの日用品の従業員割引など、他の福利厚生も提供されていると付け加えた。
ナガコープはまた、シタール氏の停職は、同氏が、2019年9月27,28,29日の カンボジアのお盆、プチュン・バン(盂蘭盆)中に働かないよう組合員に働き掛けることを狙いにした会合を持ったとされていることを受けて、グループの規則に違反した事に対する対応だと説明した。
同社は、「ナガワールドは24時間営業のサービス・ホスピタリティ企業であり、休暇中はさらに多くの収益を生み出す。まさに最初から、ナガワールドが全ての従業員との雇用契約に署名する時、一部の祝日に、当番制/輪番制で働くことは、従業員にとっての契約上の義務であり、必須となる。加えて、祝祭日に勤務した従業員には、祝日以外の日よりも300%高い賃金と付加給付が支払われている」と述べた。
ナガコープは、捜査を待つ間、シタール氏には停職中も全額の賃金が支払われたままだと述べたが、同社はまた、ナガワールド組合が、2019年9月26日の労働省からの協議の要請を拒否し、2019年10月18日の話し合いから退席したことによって、「ナガワールドと友好的な協議を行い、適切な法的手続きに従ってこれらの問題を解決する(中略)態度を見せていない」とを非難した。
木曜のストライキに関して、同社は以前に、それを違法だとするプノンペン地方裁判所からの裁判所命令を得ており、参加した従業員はいずれも「重大な違反」を犯していると見なされると述べた。 潜在的な影響について詳しい内容は明かされておらず、ナガコープは、「グループの全業務は現在も通常通り行われており、取締役会は、前述の問題はグループの業務にマイナスの影響を与えないと予想している」と述べた。