カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致の検討をしていた北海道が、国への認定申請を見送る方針を固めていると、読売新聞などが報じた。
Inside Asian Gamingは、28日には、自民党内の意見統一の問題のため北海道のIR計画が中止されると情報筋から通知されていた。
鈴木直道知事は、道の誘致判断には道議会で過半数を占める自民党・道民会議が誘致の方向でまとまることを前提としていたが、自民会派内でも意見が分かれ、意思統一を断念した。自民会派は27日も意見集約に向けた作業を行わず、28日のIR検討調査会の役員会開催は取りやめている。
一連の流れを受け、知事は「まだ結論は出していない。しっかり考えて答えを出したい」と述べた。29日の道議会一般質問で意向を明らかにする見通し。
北海道は、苫小牧市をIR誘致の優先候補地として誘致の検討を行なってきており、地域説明会やアンケート調査を実施してきた。先日、道が行なった道民対象のアンケート調査ではIR誘致に対し不安視する声も多く、環境アセスメントにも一般的には3年ほどはかかるとの見通しを示している。
優先候補地である苫小牧の市議会では10月の臨時会で、IR(統合型リゾート)候補予定地などの環境アセスメントに充てる費用として、約1,800万円を盛り込んだ補正予算を可決している。
北海道がIR誘致を断念した場合、IR誘致を検討している他の候補地間での誘致競争に影響が出る可能性も考えられる。北海道だけに手を挙げているラッシュ・ストリートやモヒガンゲーミング&エンターテインメント、そして北海道で事務所を設立したハードロックインターナショナルなど事業者各社への強烈な一撃となり、この3社の今後の動向にも注目は集まるであろう。
そしてこれは、第1回[北海道]統合型リゾート産業展の開催のわずか2週間前の発表となる。