会長
サンシティ グループ
会長兼業務執行取締役
サンシティ グループ ホールディングス
会長兼非業務執行取締役
サミット・アセント・ホールディングス
パワースコア: 2,689
昨年の順位: 5
評価理由
• 香港に上場する子会社を通じてサンシティをジャンケットプロモータ ーからカジノオーナー兼事業者へと拡大
• マカオのジャンケット市場でのシェアを拡大
• 街をリードする産業でトップのマカオ出身者
VIPがけん引した回復の2年間の後、中国大陸の経済成長が鈍化し、中国政府による海外への資金移動に対する監視の厳しさが増す中、マカオのハイエンドプレイは後退してきた。しかし、有力ジャンケットプロモ ーターのサンシティ グループ、そしてこの街最大の産業でトップに君臨するマカオ人で会長のアルヴィン・チャウ氏は、さらに深刻な課題に直面してきた。これまでのところ、サンシティはそれらの課題に会社を定義づけさせたり、カジノ事業者およびリゾートオーナーになるという目標を変えさせるようなことはしていない。
7月7日、中国国営メディアの経済日報が、ジャンケットプレイヤーをオンライン及びプロキシー・ベッティングに誘導し、決済に地下銀行を使用したとしてサンシティとチャウ氏を非難した。サンシティはこの告発を否定し、チャウ氏は記者会見で、サンシティはどこで事業を行うにしてもマカオの法律に従い、現地の法律で許可されていたとしてもオンラインおよびプロキシー・ベッティングを行わないようにすると発表した。
数週間後、オーストラリアメディアは、クラウンがアジア組織犯罪と繋がっているという報道の中で、サンシティとチャウ氏の関与をほのめかした。チャウ氏と同社は疑惑を否定し、サンシティの広報担当者は「 クラウンとザ スター(エンターテインメント・グループ)との非常に緊密な関係を維持する」と述べたものの、その後オーストラリアにあるサンシティのVIPクラブを費用の高さと需要の低さを理由に閉鎖した。
これらの論争をよそに、サンシティが34%を所有する統合型リゾートのホイアナは、来年初めに6億5,000万米ドル規模の第1フェーズをオープンさせる予定だ。過半数株主である周大福と、現地の投資会社ビナキャピタルとのパートナーシップは、140台のゲーミングテーブルと300台のマシン、1,000室以上の客室とゴルフコースと共にスタートする。ユネスコ世界遺産に認定されているホイアンの古い町並みに近く、ベトナム中部に位置するこの海岸沿いの土地は、約10㎢に広がり、10年以上、そして推定40億米ドル以上の費用をかけて開発される。
ジャンケット事業を除く香港上場子会社のサンシティ・グループ・ホ ールディングスは過去1年の間にサミット・アセントの最大株主となり、チャウ氏はその会長に就任、そして他に3人のサンシティの同僚たちが取締役として加わっている。また、こちらも香港で上場し、かつてはローレンス・ホー氏が率いたこともあるサミット・アセントは、極東ロシアのウラジオストック郊外にあるプリモリエ・エンターテインメントゾーン初の、そして今のところ唯一営業中のカジノホテルであるティグレ デ クリスタルの60%を所有している。
ティグレ デ クリスタルには65台のテーブル、340台のマシンそして121室の客室がある。上半期の純収益は24%増の2億5,700万香港ドル(約35億5,000万円)に増加した。ユニオン・ゲーミングは、サンシティの29.68%の株式(最近の新株発行で24.74%に減少した)が、ティグレ デ クリスタルの2020年のVIP取扱高を倍以上となる600億香港ドルにまで押し上げる助力となる可能性があると予想する。同施設は現在飲食エリアを拡張しており、2022年にオープン予定の第2フェーズの資金調達を済ませている。第2フェーズではホテル客室350室、小売店そして屋内ビーチクラブが追加される。
サンシティの地方での事業展開はシアヌークビルに達しており、シ ーフホテルのVIPルームに加えて、ゴールデン・サン・スカイが同地で開発中の3億6,000万米ドル規模のIRでの運営契約と30%の株式オプシ ョンがある。サンシティはまた、韓国のパラダイスとの間で釜山のカジノリゾートへの投資の可能性に関する提携契約も結んだ。日本においては、サンシティは和歌山IR構想を発表し、沖縄でのリゾート開発用地を取得している。
サンシティとチャウ氏が今年の課題をどれくらい上手く切り抜けてきているかを評価するのは時期尚早だ。何年も先のことではあるが、明確な指標となるのは、サンシティがマカオのゲーミングコンセッションを手に入れるかどうかだろう。同社はこれまでのところ、獲得に動くかどうかについて「明確な方向性」は持っていないと述べている。別の指標として先に現れてくる可能性があるのが、チャウ氏によるベイジン インペリアル パレス ホテル獲得を目指す動きだ。同ホテルにはかつてギリシャ神話カジノが入っており、長きにわたって法的そして規制上の問題に陥ったために現在は閉鎖されている。