会長兼CEO
ゲンティン・ブルハド
会長兼CEO
ゲンティン・マレーシア
会長兼CEO
ゲンティン香港
経営執行役会長
ゲンティン・シンガポール
取締役
トラベラーズ・インターナショナル・ホテル・グループ
パワースコア: 3,626
昨年の順位: 4
評価理由
• マカオには施設を持たない最大のアジアカジノグループのトップ
• アジアリゾート、クルーズ事業、そして北アメリカでの事業展開を拡大中
• 父親であり創業者のリム・ゴー・トン氏の後継者で、自身の後には息子のリム・ケオン・フイ氏が後継者となるために修行している
ゲンティン・グループは、特にクルーズ船団という目的地を計算に入れると、他のどの会社よりも多くのアジアの地域でゲーミングを運営している。ゲンティン・プランテーションを除く上場会社5社は、3つの取引所で取引され、リム・コック・タイ氏が会長を務めている。これらの会社は、レジャー及びホスピタリティで今年70億米ドル(約7,607億円)近い収益、そして成長率4%以上の20億米ドルを超えるEBITDAを生み出すことを予想している。日本の統合型リゾートライセンス獲得を積極的に目指しながら、ゲンティンは既存のアジア施設の拡張と北アメリカへの拡大に集中して取り組んでいる。
リム氏は1976年、25歳になった時点でゲンティンの取締役になり、2003年に亡き父、リム・ゴー・トン氏からグループ会長を引き継いだ。この会長の息子、リム・ケオン・ホイ氏は今年、グループの持株会社、マレーシアに上場するゲンティン・バーハッド、そしてその他上場会社の副最高経営責任者に就任した。7月リム氏は、退任させられたドナコの共同創業者であるジョーイ・リム氏を含む兄のリム・テー・ケオン氏の子供たちとの間の相続訴訟に和解したと言われている。
ゲンティンの組織図は、家系図よりも複雑だ。ゲンティン・バーハッドは、来年後半に完成予定の40億米ドルのリゾートワールド・ラスベガス、そしてリゾートワールド・セントーサのオーナーであるゲンティン・シンガポールとゲンティン・マレーシアの両方の支配権を保有している。ゲンティン・マレーシアは、マレーシアの首都のクアラルンプールから車で1時間のRWゲンティンとして知られる最初の高地リゾートの事業者。ゲンティン・バーハッドはまた、他にも世界中に資産を保有しており、その中には英国にある41軒(ロンドンのマキシムは今年4,400万米ドルで売却)、バハマのRWビミニ、スロットパーラーのRWニューヨーク、そして最近になってRWキャットスキルズの49%を取得した。ニューヨーク市から150㎞離れた採算の取れないカジノリゾートのRWキャットスキルズはリム氏の家族信託であるKien Huat Reality IIIが過半数を所有している。
RWゲンティンは、23億米ドルの資本再投資プログラムを完了させようとしており、ゲンティン・シンガポールはRWセントーサの45億シンガポールドル(約3,610億円)の拡張に取り組んでいる。RWラスベガスやキ ャットスキルの現金支出要請の予想額といった負担を考慮して、フィッチ・レーティングスはゲンティン・バーハッドの格付け見通しを「ステーブル」から「ネガティブ」に変更し、来年の年末までの55億米ドルの資本支出と伸び悩みを予想している。
2015年にゲンティン・バーハッドから分離したゲンティン香港は、クルーズ船団拡大と、合弁事業であるRWマニラの10億ドル新IRのシェアのための資本需要に直面している。2015年に高級ブランドのクリスタルクルーズと「現代的な」スタークルーズの中間として中国人顧客を狙 って立ち上げられたドリームクルーズは、現在10億米ドル超の船を2隻造っている。ゲンティン香港は最近、ドリームクルーズの35%を4.7億米ドルで売却し、3周年を迎えたゲンティンドリームのリースバック契約を完了させて約8億米ドルの資金に換えた。
フィッチの格下げはあったものの、ゲンティン・シンガポールは日本で社債を発行するための3,500億円の発行登録書を提出した。RWセントーサは、シンガポールのライバル、マリーナベイ・サンズと共に、日本がまさにIRから求めているものとして、現地住民への入場税に至るまで頻繁に名前が挙げられている。しかし、日本が最も興味を持っている施設はRWゲンティンかもしれない。マレーシア系イスラム教徒はカジノフロアへの入場を禁止されており、多くの現地住民の財布を開かせるためには非ゲーミングアトラクションの開発を行い、ゲーミングの成長のためには海外に目を向けることを経営陣は余儀なくされている。それこそが日本が是非にでも真似したい方程式だ。