副会長
ギャラクシー・エンターテインメント・グループ
パワースコア: 7,764
昨年の順位: 2
評価理由
• ギャラクシーをマカオのゲーミングにおける事実上の王者へと押し上げた
• 2022年までにコタイ最大の単一土地区画となるフェーズ3および4を開発中
• 90歳の父であるギャラクシー会長ルイ・チェウー(呂志和)氏の下で働く
• モンテカルロのカジノ事業者SBMおよびウィン・リゾーツへの戦略的出資を実施
ギャラクシー・エンターテインメント・グループは、マカオのゲーミング市場のリーダーの座をかけてサンズ・チャイナと戦い、その旗艦施設であるギャラクシー・マカオは、世界で最も収益性の高い統合型リゾートのタイトルを巡り、シンガポールのマリーナベイ・サンズと競っている。
ギャラクシーは、JPモルガンのDSキム氏がマカオの「事実上の地元王者」と呼ぶカジノ事業者のSJMホールディングスに取って代わった。ギ ャラクシー副会長のフランシス・ルイ氏は、マカオの事実上の業界リーダーであるスタンレー・ホー氏に代わった。彼の性格は華やかなホー氏と対照的だ。ギャラクシーの成功の秘密は一目瞭然であり、これは香港の実力者である父のギャラクシー会長ルイ・チェウー氏の下での同氏のリーダーシップを受けてのこと。
「ギャラクシーのビジョンは次のとおり。アジアの大手ゲーミングおよびエンターテイメント企業として世界的に認められること」と、香港上場のこの企業は述べる。「このビジョンは、実績のあるビジネス哲学を順守することで達成される」
その哲学の最初の信条は、「ローカル市場の洞察、すなわち中国の伝統を活かし、アジアおよび中国の顧客の好みを深く理解すること」である。
米国でエンジニアとして訓練されたルイ氏は、中国本土での家族の開発プロジェクトに取り組む過程で専門的な経験を積んだ。同氏は弁当を持参し、建設作業員らと食事をすることで、会長の息子という固定観念を取り去ったのだ。その経験に加え、広範囲に渡る研究(ギャラクシーにはゲーミングの経験がなかったため、他のライバル企業とは異なり、マカオに乗り込む際に先入観がなかった)は、中国の消費者の要望を理解するのに役立った。
旗艦施設であるギャラクシー・マカオは、そこから学んだことを反映している。コタイのコンプレックスには、最高級のリッツカールトンから低予算のブロードウェイまでの3,600室を持つホテルが6軒ある。「世界レベルのホテルをアジアの中心で」をモットーに、ギャラクシーは日本のオークラや東南アジアのバンヤン・ツリーのホテルブランドを特色としている。ギャラクシーは、アジアの人々の心を最も確実に理解し、あらゆる中華料理からInstagram映えするデザートまで、120店舗の飲食店を提供している。ギャラクシーは、東南アジアのビーチと張り合うべく、350トンの白い砂と世界最大の波の出る屋上型プール、さらにトロピカルガーデン調のウォーターライドやスライドを備えた、最新かつ最高のリゾート、グランド・リゾート・デッキを建設。10スクリーンのシネプレックスを開設し、輸入規制のために本土では見ることのできない映画を、本土からの訪問者に向けて上映している。フェーズ2は、第1ステージの4年後の2015年5月にオープンし、さまざまな価格帯の200件以上の店舗が並ぶプロムナード・モールを特徴としている。
ギャラクシーは、中国の顧客以外に中国当局も理解している(マカオで最も確実なのは、ギャラクシーが政府の再入札運動でカジノコンセッションを受け取ることかもしれない)。ブロードウェイ・フードストリートは、マカオのレストランと地元の中小企業の製品を特色とし、経済の多様化を求める地方および本土の政府の要望を支持する形で、政治に精通していることを実証している。
2022年までの完了を目指し、ギャラクシー・マカオのフェーズ3および4には、アリーナとMICE施設が含まれ、さらなる多様化が推し進められる予定だ。ギャラクシーは、焦点がVIPからマスへと移行中の今年にゲーミング粗収益が10%以上減少したとしても、現金と収益から60億米ドルを超える拡張に資金供給する態勢を整えている。
また、ウィン・マカオとグランド・リスボアと共にマカオ半島のゴ ールデントライアングルを形成するカジノホテル、スター・ワールドを運営しており、日本のIR誘致のパートナーであるモンテカルロのゲーミング事業者SBMとウィン・リゾーツに戦略的出資を行 っている。
フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は、ボラカイに5億米ドルのカジノリゾートを作る構想を打ち切ったが、ギャラクシーは、中国の習近平国家主席が長年暖めてきたプロジェクトであるヘンチン島のコタイの向かいにある非ゲーミングリゾートを計画している。ギャラクシーにとって、地元ほど優れた場所は他にないのだ。