ラスベガス・サンズ(LVS)のシェルドン・アデルソン会長兼CEOは以前、日本での統合型リゾート開発に100億米ドル(約1兆849億円)を投資することを約束した。木曜、LVSはその100億米ドルは日本のIRにとっては単なる開始点だと説明し、その過程の中で、右肩上がりの資本支出予想が、必要なリターンが達成できる可能性にいくらかの疑問を投げ掛けていることを認めた。
この発言はLVSの社長兼最高執行責任者、ロブ・ゴールドスタイン氏によるもので、木曜に行われた19年第3四半期の決算報告の場での日本で行われる可能性のある投資レベルに関する質問への回答だった。
120億米ドルという数字を確かな可能性として引き合いに出したゴールドスタイン氏は、「このビジネスがどれだけ得意であろうと、その数字を見ると立ち止まって考えざるを得ない。『これは賢明なのか?本当に展開できるのか、リターンを得られるのか?』その話し合いはしてきたし日本政府とも協議してきた。我々はそれをしていくためのバランスシート、能力、そしてスキルを持っている。問題は、私の左側にいる人物(アデルソン氏)が、承認するであろうリターンを得られるのか?ということだ。今まさにその問題に取り組んでいるが、100億ドルは開始点だ。100億ドル以下でそれをする会社はないと思う。基準以下のことをするのでない限りは」と述べた。
8月、LVSは大阪IRレースから正式に撤退し、代わりに東京と横浜に集中する意図を初めて表明した会社となった。この2都市は大阪よりもはるかに大きな人口ベースを持っており、観光客にとってもアクセスしやすい。
そして、同社が100億米ドル以下の支出に抑えようとしている事業者は、代わりに地方の候補地を狙うことでそれが実現できると述べた一方で、ゴールドスタイン氏は以下のことを明確にした。LVSは「そのようなビジネスはしていない。我々は北海道には行かない。我々は100億米ドルを求めるトップの都市でビジネスをするつもりだ。そしてそれは充分でない可能性がある。つまり、日本での建設コストは大きな問題であり、契約が組み立てられる方法、それが課題だ。
我々は高額の小切手を切るのには慣れているが、1つのIRにその全ての資金をつぎ込むということについては、立ち止まって、冷静になって、株主にふさわしいリターンを得得られるかどうかを考えなければならない。日本はもう少し思考の過程を行うだろう。我々は走り杯めている、見限るようなことはしない、深く足を突っ込んでおり、そこで事業を行うことを望んでいる、しかし、結局のところそれが賢明であるということを確実にしなければならない。上手くいかせるには大きな数字になってくるだろう」