ネバダ・ゲーミング・コントロール・ボード(NGCB)がウィン・リゾーツの創業者であるスティーブ・ウィン氏に対する苦情を提出し、ネバダ州ゲーミング委員会に州ゲーミングライセンスの保有に適しているという同氏の適格性を撤回し、同氏をネバダ州のカジノ業界から事実上追放するよう求めている。
ネバダ州で月曜に提出された23ページに及ぶこの訴えは、昨年初めにセクハラ疑惑が世間に知れ渡った後に行われたウィン氏の行為に対するNGCBの調査の結果となる。
NGCBは、ウィン氏は「繰り返しネバダ州のゲーミング法と規制に違反し、ネバダ州とそのゲーミング業界の信頼を傷つけた。同氏はゲーミング企業または全体としてゲーミング業界に関わるには不適格である」としている。
また、「最低でもウィン氏の適格性は撤回されるべきである」と付け加えた。
NGCBの調査結果を説明するこの訴えは、ウィン・リゾーツに雇用されており、同氏の部下の立場にいた複数の女性に対する「ウィン氏による歓迎されない行為の数々の実例」が調査によって明らかになったと述べている。
「複数の女性従業員は、彼女らがウィン氏からの歓迎されない性的な振る舞いを経験したと述べており、その中には陰部の露出、不適切な発言や接触、強制性交、そして口腔および膣性交行為の要求などがあった」と述べた。
NGCBの訴えに含まれていた5つの論点のうちの2つがウィン・ラスベガスの元従業員への和解金に関するもので、2005年にサロン従業員に性的暴行を与えたという告発によって生じた和解金750万米ドル(約8億1,230万円)、そして2006年にはカクテルウェイトレスに対して和解金97万5千米ドルが支払われていた。
訴えはまた、ウィン氏が2018年9月の公聴会を欠席することは「適格性撤回の理由に相当することになる」と事前に知らされていたにも関わらず、その場に現れなかったことを指摘している。
NGCBによると、ウィン氏の不正行為疑惑は結果としてメディアによって広く報道され、「ネバダ州とそのゲーミング業界の評判を傷つけた。ネバダ州の経済およびそこに居住する人たちの公共の福祉とって非常に重要な社会からの評判にマイナスの影響を与えた」
ネバダ州ゲーミング委員会がウィン氏にNGCBの訴えを送達した場合、同氏には回答のために15日間が与えられることになる。
ウィン氏によるセクハラ疑惑が初めて明らかになったのは、2018年1月のウォール・ストリート・ジャーナルの衝撃的な記事だった。
2002年にウィン・リゾーツを共同で創業した77歳のウィン氏は一切の不正行為を否定したが、昨年2月に同社の会長兼CEOの職を辞任し、その後同社に保有していた12.1%の全株式を売却した。