ラスベガス・サンズのシェルドン・アデルソン会長兼CEOが先月ドナルド・トランプ米大統領に電話をかけ、米中貿易戦争が米経済に与える可能性のあるマイナスの影響について警告したことをウォールストリートジャーナルが伝えた。
電話の内容を良く知る関係者からの情報を基に、WSJはトランプ大統領が8月23日に中国製品への全ての関税を5%引き上げる計画であることを明かした一連のツイートを投稿した数日後に、アデルソン氏が電話をかけたと述べた。それらのツイートは、米製品に対する中国政府独自の報復関税への対応だった。
ラスベガス・サンズは現地子会社のサンズ・チャイナの下で、マカオで5つのカジノを所有・運営し、2018年の収益の約63%をそれらの施設から生み出していた。マカオのカジノ事業者6社全社のライセンスも2022年に期限が切れることになっており、更新は中国政府が大きな影響力を持つと予想されている再入札プロセスの対象になっている。
しかしながら、WSJによると、アデルソン氏からトランプ氏への電話は、貿易戦争が米経済に与えるよりより広範囲の影響に関する一般的な警告であり、LVSのマカオでのカジノ事業には関係ないという。アデルソン氏は伝統的に、トランプ大統領を含む共和党の強力な支持者であり、2018年の中間選挙期間中には同氏と妻のミリアム氏の2人で保守派の候補者や運動に約1.23億米ドル(約132.30億円)の寄付を行なった。
大統領はその後5%の関税引き上げを10月15日まで2週間先送りにしており、10月上旬に閣僚級の貿易協議が予定されている。