投資銀行のモルガンスタンレーが香港に上場するナガコープ株にオーバーウェイト(Overweight)の格付けを行い、同社がより大きな成長の機会と低いコストによって地域的なライバルであるマカオ、フィリピン、シンガポールよりも高いスコアを得たと述べた。
同社の短期的な展望をまとめたレポートの中で、モルガンスタンレーのアナリストたちは、カンボジアの首都プノンペンでナガワールドを運営するナガコープに関して非常に強気の見通しを持っており、その背景には2009年を除いて過去10年間毎年EBITDAが増加してきたことがある。
株式アナリストのプラビーン・チャードハリ氏は、「2011年以降、同社のEBITDAの年平均成長率はマカオの7%に対して24%となっている。ナガ2が2017年12月にオープンし、同社では2018年と19年上半期にEBITDAがそれぞれ前年比60%と40%の成長となり、ROIC(投下資本利益率)は40%を超えたことを示している。そしてプロジェクトは今も拡大している」と述べた。
ナガコープと近隣地域を比較する中で、チャードハリ氏は「ナガには2035年までのゲーミング独占営業権、低い税率そして低い労働コストがあるために、マカオのゲーミング企業よりもより高いスコアを獲得した。また、2017年以降マカオよりも速いスピードで成長しており、2019年と2020年もその傾向に沿い続けるはずだ」と述べた。
ナガコープはまた、「その成長見込みの高さ、低い税率そして利回りの高さから、フィリピンやシンガポールの競合企業よりも高いスコアを得ている。カンボジアは中国からの訪問者への依存という観点で見れば、政治的にフィリピンよりもリスクが低い。シンガポールとは異なり、カンボジアはナガでのジャンケットの営業を許可している」
結果として、モルガンスタンレーは、2019年から2021年の間のナガのEBITDA年平均成長率を17%と予想しており、マカオ、シンガポールそしてフィリピンのゲーミング業界よりも高い数字となっている。
主なバリュードライバーには、訪問客の増加、新ジャンケットに後押しされたVIPロールの増加、ナガ2の継続的な成長、そしてゲーミングの新規制が含まれている。