国際格付機関のフィッチによると、日本の統合型リゾート開発の第1巡目が年間100億米ドル(約1兆800億円)以上のゲーミング粗収益を生み出し、ユニット当たり1日のウィンは、大成功を収めているラスベガス・サンズのシンガポールIR、マリーナベイ・サンズに匹敵すると予想しているという。
この数字は木曜に発表された日本ゲーミングに関するレポートの中で示されており、その中でフィッチは日本のIRへの予想を以前の年間GGR予想70億米ドルから上方修正している。
地方に1つ、都市圏に2つのIRという割り当て計画が実現することを仮定して、フィッチは、日本のGGRの潜在力に関して以前にも増して前向きに見ていると述べ、カジノフロア面積への3%の上限は規制上の制限の下で大幅なゆとりが設けられているために、大きな阻害因子になる可能性は低いとしている。
レポートは、「このより高い自由度は、計画されている合計投資額の規模の大きさ、そして通路やカジノフロアの設備を除くというカジノエリアの計測方法から生まれるだろう。我々は大規模リゾートでそれぞれ約6,000台のスロットと700台のテーブルを想定しており、ユニット当たりの一日のウィンはマリーナベイ・サンズに匹敵する数字になると見ている(2018年はスロットで792米ドル、テーブルで9,563米ドル)」と述べている。
しかしながら、事業者はフロアスペースの有効活用を期待できる一方で、EBITDAの低さと費用の高さによってROIはシンガポールレベルのROIを生み出すことは、はるかに難しいことが分かってくるだろう。そしてインフラへのさらなる投資の必要性によって、都市圏でのIR開発コストは150億米ドルにまで押し上げられる可能性がある。
フィッチは以下のように述べた。「日本のIRは、まずまずのROI(EBITDA/コスト)を生み出すということに関しては、確実だと言える状態からはほど遠く、我々はだいたい10%か少し高い程度だと考えている。ゲーミング税が他より高い事に加えて、(中略)事業者は高い開発コストと官僚的形式主義に対応しなければならないだろう。視察旅行の前は、費用は100億米ドルになると予想していた。現在、インフラ投資の支援と文化的要件などの規定された設備を満たすことを考慮に入れた後の妥当な費用範囲は100億米ドルから150億米ドルの間だと考えている。EBITDAマージンは、シンガポール(約50%)とは対照的に、マカオやラスベガス(約25%から30%)のものと近い数字になるだろう」