マカオのコンセッション保有者、SJMホールディングスは、2019年6月30日までの3カ月間のゲーミング粗収益(GGR)が111.1億香港ドル(約1,542億円)へと4%減少したことを報告し、コタイで事業展開できていないことが継続して打撃となり全セグメントでシェアを失った。
SJMは建設中の統合型リゾート、グランド・リスボア・パレスの開業日が少なくとも2020年3月まで延期され、費用は360億香港ドルから390億香港ドルへと拡大したことを明かしており、そのような状況の中での今回の結果となった。
19年第2四半期にSJMが最も苦戦したのがVIP部門で、ローリングチップ取引高は1182.2億香港ドルへと31%の減少となり、GGRも35.2億香港ドルへと同じレベルの減少となった。
マスGGRは8%増の62.1億香港ドル、スロットGGRは1%減の2.85億香港ドルとなったが、サンフォード C バーンスタインのアナリストは、この四半期、SJMの市場シェアは1年前の15.5%から14.1%に低下、VIPの市場シェアは15.2%(18年第2四半期は15.8%)、そしてマスは12.4%(8年第2四半期は15.3%)となると予想している。
バーンスタインはレポートの中で、「会社全体としてSJMはコタイの施設が完成していないことで苦戦しており、前年比ベースで市場シェアを失い続ける」と分析している。
19年第2四半期のグループ全体の調整後EBITDAは10億香港ドルへと3%増加、EBITDAマージンは0.6ポイント増加して11.9%となった。バーンスタインは「全体のGGRは減少したものの、VIP/マスの事業ミックスが改善したことがSJMのマージンを押し上げた」と述べた。
半島にある旗艦施設のグランド・リスボアでは勢いが鈍化し、GGRは17%減の33.4億香港ドルに落ち込んだが、調整後EBITDAは12%増の5.72億香港ドルとなった。
SJMの自社運営カジノ、カジノ・リスボア、カジノ・タイパ、ハイ アライそしてオシアナスではGGRが3%増の15.6億香港ドルに成長した一方で、16のサテライトカジノでは8%減の51.2億香港ドルに落ち込んだ。
19年第2四半期の業績報告でコタイの進捗に関する最新情報を提供したSJMは2019年末までのグランド・リスボア・パレスの完成を目指していると述べ、「プロジェクトの完成日修正に関わる追加費用」を含む建設費用の8%増加を明かした。