オーストラリア証券投資委員会(ASIC)は、モルガン・スタンレー・ウェルスマネジメント・オーストラリア株式会社に、5月に買収委員会が付与したドナコ・インターナショナル社の普通株式8,000万株の売却を命じた。
ASICの発表によると、モルガン・スタンレーは、6ヶ月以内に株式を売却するとして、その時点で合理的に入手可能な株式売買に向けた最も適切な売却価格を確保するための最善の売却方法を用いる予定である。
同国の買収委員会は、アジアの投資会社、オーチャード・キャピタル・パートナーズ(OCP)によるドナコ社の9.71%の株式取得に対して不利な決定を下しており、今回の動きはその決定に続くものとなる。OCPはそれ以前に、ドナコ社創立者のジョーイ・リン氏による債務不履行の結果としてさらに27.25%の株を取得していた。
買収委員会はその際、数ある理由の中でとりわけ、マーケットはOCPがドナコ株に担保権を保有していたことを認識していなかったことから、市場買い付けが行われた状況は受容できないとの見解を示していた。その結果として、2018年12月7日から31日までの間にOCPが取得した9.71%の株式が付与されることとなった。
モルガン・スタンレーの売却の条件には、OCPが直接または間接的に株式を取得することはできず、また購入予定者はOCPまたはその関連会社に関与していないという法定宣言を提出しなくてはならないという規定が含まれる。