カジノ・オーストリアは純和風にこだわったIR施設を目指す

　1934年に創業した欧州の老舗IR、カジノ・オーストリア・インターナショナルは長崎IR誘致が成功した場合の運営プランのひとつとして、純和風に徹底的にこだわったIR施設にすることを明らかにした。

　27日に長崎県佐世保市内で開かれた「九州・長崎統合型リゾート（IR）ビジネス構築セミナー」の中でカジノ・オーストリア・インターナショナル・ジャパンの林明男代表取締役が語ったもの。設計、建築は2020東京五輪のメーン会場「新国立競技場」をデザインしたことで知られる隈研吾氏が担当すると言う。

　「すべてが木造というわけにはいきませんが、世界中のどこにもないような、みなさんが驚くような施設になる。私たちはラスベガスやマカオのような派手さを売りとするのではなく、地方都市にマッチするような欧州型のIRをつくりたい。その準備も着々と進めている」と林氏は話した。

　カジノ・オーストリアはその名の通り、政府が34％の株を所有。この日もセバスティアン・クルツ首相が「長崎IRに参加させていただけるのは非常に光栄」とのビデオレターを寄せた。確かに他のIR事業者にない歴史と伝統があり、世界13カ国で事業を展開してきた実績もある。

　また首都ウイーンは音楽の都として、都市別ではフランスのパリに次いで国際会議が多いというデータを挙げ「日本のIRでひとつのカギとなるMICE事業にも私たちはノウハウを持っている」と、この点も強調。先端医療にも力を入れ、長期滞在型の湯治場としての機能も取り入れることを提案書に盛り込む。

　さらに、音楽の都という特性を生かし、長崎IRが開業した場合には「ウイーンフィルハーモニー管弦楽団の常設」なども提案。長年取り組んできた依存症対策にも自信をみせた。