アジアの投資会社、オーチャード・キャピタル・パートナーズ(OCP)は、ドナコの創業者であるジョーイ・リム氏が保有していたドナコ・インターナショナルの株式約6,600万株を売却した。
ドナコが水曜に提出した報告書には、OCPが1株当たり11セントで株式を放出し、その結果合計で720万豪ドル(約5億4,062万円)に少し足りない額を回収、そしてリム氏のドナコ株保有率がおよそ8%低下したと記載されていた。
リム氏は2017年初めに、彼が持つ企業の1社であるトータル・アルファ・インベストメンツを通じてOCPから3,430万米ドルの融資を確保しており、その取引には担保付き優先債の発行とドナコ株の株式オプションの付与が含まれていた。
リム氏が昨年末にローン返済で債務不履行に陥った時、OCPはリム氏が持つ27.25%の株式全てへの担保権を行使し、リム氏が直接保有する3,770万株と間接保有する1億6,430万株の議決権および売却する権利を手にすることになった。
水曜の報告書によると、OCPは6月19日にリム氏の間接保有分の中から初回分となる6,590万株を放出し、同氏の保有率は発行済み株式の約19%に低下した。売却益はOCPグループに入ると記載されている。
OCPとリム氏両方にとっては波瀾万丈の数か月だった。5月初め、リム氏自身からの訴えを受けて、オーストラリアの買収委員会は、その当時OCPが持つリム氏の株式への担保権についてマーケットが認識していなかったという理由で、OCPが2018年12月にドナコの9.71%の株式を追加で取得した市場買付は無効であるという裁定を下した。
3週間後には、別の新株主集団が合同の議決権を使用して、ジョーイ・リム氏とその兄弟のベンジャミン・リム氏をドナコ取締役会から排除することを検討するために臨時株主総会の招集を正式に請求した。