米国ゲーミング協会(AGA)の新社長兼CEOのビル・ミラー氏は、営業を行うコミュニティにプラスの経済的影響を与えるという点での米カジノ事業者の強固な実績が、日本の当局がIRライセンスの発行を行うにあたって重要な検討事項となるべきだと話す。
米国のカジノ事業者は、提案されている3つの日本のIRライセンス入札で、最も大きくリードする候補企業の中に含まれており、ラスベガス大手のMGMリゾーツ、ラスベガス・サンズ、シーザーズ・エンターテインメント、ウィン・リゾーツと共にモヒガン・ゲーミング&エンターテインメント、ラッシュ・ストリート・ゲーミング、フォックスウッズなど地域型IRの候補者が肩を並べている。
AGAのトップの座をジェフ・フリーマン氏から引き継いでからちょうど4か月後にミラー氏は、Inside Asian Gamingに対して、米国での経済的な実績をベースに、日本で米事業者を積極的に支援していくつもりであることを明かした。
米国商工会議所の全米政務局長を12年間務めた経験を持つミラー氏は、IAGに対して以下のように語った。「最高の事業者を探している場合、結局のところはコミュニティに関心がある、コミュニティに投資を行なっている、営業を行う地元コミュニティへのコミットメントを示している事業者ということになります。そして米国の事業者はその点に関して伝えるべき素晴らしいストーリーを持っているのです。この仕事を始めて以来ラスベガスに何度も足を運び、部族運営の施設も訪れており、商業的な視点と、部族的な視点の両方からゲーミング産業が何を意味しているのかを見てきました。私は心の底から商工会議所の人間ですので、コミュニティを作るには経済的な仕掛けが必要だと確信しています。それが病院であろうと、大学やカジノ、またはIRであろうと、このエコシステムは国全土にあるコミュニティで非常にプラスに働くものです。日本政府が意思決定プロセスに取り組んでいて、彼らの見解の中でIRがどうあるべきかを描き出した今、彼らは結局のところ現在マーケットで活動していて、自分たちの価値を活かしている事業者の方を向かざるを得なくなるでしょう。そして我々側の企業は伝えるべき素晴らしいストーリーを持っているのです」
ミラー氏は、マカオのコンセッション保有6社が直面するライセンス再入札プロセスが近づいていることについて、AGAにとって今後数年間の重要な問題だと説明した。6社のうちの3社が米国企業である。
新しいライセンス入札を成功させる中で、サンズ、MGMまたはウィンに降りかかる問題を予測しているかという質問に対してミラー氏は、「マカオは素晴らしいサクセスストーリーだと思います。なぜならここには米国企業でも他国の企業でも、商売を行う事業者とマカオ政府の間のパートナーシップがあるからです。私の見方では、マカオに投資を行い、そこに長期的にコミットし、継続してイノベーションを推進する米国の事業者は、経済の中で非常に重要なプレイヤーであり、それは今後も続いていくはずだと考えています」と語った。