オーストラリアのスター・エンターテインメント・グループが、年明けから続く海外からのVIP売上低下と国内市場の低迷によって、2019年の利益予想を3%引き下げた。これは約1,800万豪ドル(約13億5,971万円)に相当する。
火曜に提出したオーストラリア証券取引所への事業状況及び業績報告の中でスターは、19年度前期からの世界的なVIPの減少傾向が最近数か月も続いており、売り上げは2019年1月1日から6月8日の間で前年比31.1%の減少となったと述べた。同社は、同期間を通じてのユニーク顧客数は7.6%増加した一方で、フロントマネーは16.5%減少し、ウィン率も予想を下回る結果となった。
同社の事業近況報告の発表の直後に行われたアナリスト向けの決算報告会の中で、スター・エンターテインメント・グループのマット・ベキアーCEOは、VIPプレイヤーの同社施設での消費額が通常よりも少なくなっていると述べた。
ベキアーCEOは、「いい知らせはそれでも客が来ていることだ。単に前ほどの額を消費したり、多くのリスクを取ったりすることがなくなっている」と語った。
6月8日までの期間の国内収益は前年比で0.3%増加したが、2018年7月1日からの一年間では3.1%のプラス成長が見られたことを考えると、ここ数か月は大幅に鈍化している。
同社は報告の中で、「19年度後期の国内成長の鈍化は、市場全体でのマクロ経済の状況が厳しくなっていること、個室ゲーミングルームでのテーブルゲームのホールド率の低下、そしてザ・スター・シドニーでの建物工事による混乱の影響が重なったことを反映している」と述べた。
同社は、現在の予想を基にすると、2019年6月30日期の標準化EBITDAは5.5億から5.6億豪ドルの範囲となり、2018年度の5.68億豪ドルからは減少する可能性が高いと付け加えた。
スター・エンターテインメント・グループはまた、厳しい経営状況にあるために2020年度以降、コスト管理の取り組みの一環として裏方の従業員400人を解雇する予定をしており、それによって年間5,000万豪ドルの節約を目指していることを明かした。