メルコリゾーツのローレンス・ホー会長兼CEOは、オーストラリアでカジノを運営するクラウンリゾーツの19.99%の株式取得は、日本での同社の大きな望みを後押しするチャンスだと説明した。
火曜にマカオで行われた臨時メディア・ラウンドテーブルでの質問に答える中で、ホー会長は、オーストラリア当局による誠実性調査の実施を歓迎する、そしてメルコがクラウンリゾーツの取締役会でその存在感を増大させるのはその後になると述べた。さらに会長は、メルコが厳しい規制を設ける市場でのビジネスで優れた実績を確実かつ慎重に積み重ねてきたことを付け加えた。
43歳のホー会長は、「いつでも快く規制当局の調査を受け入れる。むしろ、海外でのグローバル拠点を発展させてきた当社の実績からも分かるように、当社は常々、強固なガバナンスと強固な規制体制がある地域を好んで選んでいる。だからこそ、規制体制が未発達のアジアにある複数の小さな国々を敬遠してきた。繰り返しになるが、当社がコンプライアンスや誠実性調査を恐れないグローバルプレイヤーであることは、日本へのより強いアピールとなる」と語った。
ホー氏にとってオーストラリアの誠実性調査は初めてのことではなく、かつては強力だったメルコ-クラウンのパートナーシップの形成期間中にビクトリア州と西オーストラリア州で、そしてバンガルーでの22億豪ドル(約1,660億円)をかけたクラウンシドニー開発にゴーサインが出された後の2014年にニューサウスウェールズ州で当局による入念な調査を受けたことがある。
火曜に同氏は、クラウンの直接株主になるということで「今回は少し様子が異なる」と述べた一方で、「いずれにしても全く問題はない」とも語った。
しかしながら、何より重要なのは、ホー会長がクラウン株の取得は日本のIRライセンスの入札の一環として強固な国際的ポートフォリオの構築を狙いにしていると述べたことだ。
会長は、「メルコの視点では、これは実際、過去数年間我々が行ってきた世界での拡大の延長だ。この取引によって、当社は一瞬にしてマカオ、マニラ、キプロスの3か国から5か国へと拡大することになる。なぜなら、それにはオーストラリアにある3つの施設と、ロンドン(クラウンはロンドンのウェストエンドにあるクラウンアスピナルズという高級カジノを運営している)も含まれているからだ。その視点で見ると、これは我々のリストにある全てを完了させることであり、日本で行ってきたこれまでの努力の延長線上にある。日本は最終的なゴールであり、過去数年間で我々が築いてきた全てのものは、実際当社の大きな見せ場を作り上げるためのものだ。オーストラリアとロンドンの施設があることで、日本でのライセンス獲得に向けて当社の事業を継続して加速させる」と説明した。
ホー会長は、長期的にはクラウンの株式取得をさらに進める意思があることも認め、一方で短期的にはメルコは、クラウンがアジアのプレミアムゲームセグメントで足がかりを再び得るための支援ができる可能性があると述べた。クラウンは周知のとおり、2016年に中国大陸で19人の従業員が逮捕されたことによって、積極的な中国人VIP客獲得競争から手を引くことを余儀なくされた。
ホー会長は、「適切な時期にクラウンの経営陣と協議するべき課題であ、これは我々が支援または補完できる分野だ。プレイヤーを送ることができる地域をオーストラリアでさらに3つ、そしてロンドンでもう1つ得ることは、当社のゲスト体験、そしてゲストへのサービス提供にとってのメリットとなる。それが自然にクラウンのビジネスを後押しすることにつながる」と語った。