フィリピンのゲーミングが、国内外の両方で、マカオ、シンガポールそしてラスベガスといったその他の主要地域よりも速いスピードで成長しており、この傾向は2019年を通じて継続すると予想されている。
今週発表したリサーチ文書の中でフィリピン市場の状況を分析した投資銀行のモルガン・スタンレーは、同国の統合型リゾート、ソレア、リゾーツ・ワールド・マニラ、シティー オブ ドリームス マニラそしてオカダ マニラのゲーミング粗収益は、2018年12月31日までの12か月間に30%の成長を見せた後で、2019年さらに15%成長し1639.4億比ペソ(約3,421億円)に達すると予想している。
また、その原動力となるのはマスマーケットで、VIPが10%増の681.2億比ペソとなる予想に対して、マスは19%増の958.2億比ペソに成長すると予想されている。
しかしながら、VIPセグメントの予想において、マカオとシンガポールの成長率を優に超えているという事実は注目すべき点である。
アナリストのプラビーン・チャードハリ氏は、「マカオのジャンケットによる(有利なマージンでの)海外への拡大と動画ストリーミングが2019年も継続してフィリピンの堅調な成長を推進すると予想している」とし、フィリピンのVIP収益が2018年に初めてシンガポールを上回ったことに言及している。「2019年は、マカオのVIP収益の前年比マイナス6%成長予想に対して、同国のVIPの成長率は10%(2018は33%)になると予想している」と述べた。
パラニャーケ市のエンターテインメントシティにあるソレアリゾート&カジノを所有・運営するブルームベリー・リゾーツはマーケットリーダーの地位を維持するとみられており、現在のマーケットシェアはシティ オブ ドリームスの31%とオカダ マニラの19%に対して36%となっている。
チャードハリ氏は、「ブルームベリーでは2019年にゲーミング粗収益がさらに11%伸び、EBITDAは16%成長すると予想している。普及率の低さ、供給量の追加、好調な中国人訪問客数そしてマカオジャンケットのASEAN市場への拡大がマーケットの成長を促進するはずだ」と述べた。