米下院が重要なカジノ法案をファスト・トラック(議会の承認なし)で通過させるという報道を受けて、膠着状態になっていたゲンティン・マレーシアとマサチューセッツ州のマシュピー・ワンパノアグ部族間の10億米ドル規模の部族経営カジノプロジェクトが間もなく再開される可能性が出てきた。
マシュピー・ワンパノアグ部族保留地再確認法(Mashpee Wampanoag Tribe Reservation Reaffirmation Act)が通常の委員会による審議を経ずに、早ければ来週月曜にも下院で早期採択されることが見込まれている。この法案では、提案されている「ファースト ライト」カジノ開発を妨げてきた現在も続く訴訟が、321エーカーの土地の再確認によって本質的に解決すると見られている。
1月に同法案を再提出したウィリアム・キーティング下院議員は今週声明を発表し、法案採択への自信をのぞかせた。
キーティング議員は「これまで他党の議員、管轄地域の委員会の両派のメンバー、そして審議を担当する民主党のリーダーたちと協力してきた。この法案が投票へと進むことを確信している」と述べた。
キーティング議員の自信が現実のものになる可能性が高いとなれば、財政的に困窮していると伝えられているマサチューセッツのワンパノアグ部族と、過去3年間それを支えてきたゲンティン・マレーシアの両者の業績は大幅に上昇することになるだろう。
米内務省(DOI)がマシュピー・ワンパノアグ部族による計画中のIR開発を認めないとした9月の決定を受けて、ゲンティン・マレーシアはその投資での7億9,170万リンギット(約53億1,930万円)の純損失を計上していた。ゲンティン・マレーシアは以前、同部族が発行した約束手形を4億2,630万米ドル分購入していた。
伝えられるところによると、ゲンティン・マレーシアは将来的なカジノの利益に対して同部族に約5億米ドルを貸し付けていたが、2018年の業績発表で同社は、融資の返済が終了することになると明かしていた。
ゲンティンは12月、今後も「米議会での法案提出などの選択肢において同部族密接に協力していく。通過すれば、同民族を守るために信託されている土地の米連邦政府による再確認は必然的に伴うだろう。約束手形が回収可能であると評価されれば、減損損失は逆転させることが出来るだろう」と述べた。