香港の事業家トニー・ファン氏のゲーミング会社でオーストラリアのカジノ・キャンベラを運営するアクイス・エンターテインメントが、2018年度に340万豪ドル(約2億7000万円)の損失を計上し、同社が大きな損失を計上するのはこれで3年連続となった。
2014年にカジノ・キャンベラを600万豪ドルで買収して以来、3億3000万豪ドル規模の再開発計画の承認を得ようと努力してきたが、現在も規制上の問題に直面しているために、アクイスは同施設から金が流出し続けるのを見てきた。
同社は、オーストラリア最小のカジノを、2つのホテル、高級ダイニング、バー、カフェそして高級小売店舗などが入る世界クラスの統合型リゾートへと変えたいと考えている。しかし直近の提案は、資金調達に加えて現在も続くこの地域でのスロットマシン規制を取り巻く不確実性が原因となり、ACT(オーストラリア首都特別地域)政府によって12月に却下された。
その間にアクイスは、2016年に770万豪ドル、2017年に1380万豪ドル、そして今年2018年には340万豪ドルの損失を計上した。2017年の損失は550万豪ドルの繰延税金資産の評価減によって増幅した。
同社は、2018年の収益が基本的には横ばいの2600万豪ドルとなり、ゲーミング粗収益は0.85%増加したものの、F&Bの売上が12%減少したことを明かした。2018年は、カジノ・キャンベラが改装したゲーミングフロアを開業させて以来初めて丸1年の営業を行った年でもあった。
2019年の展望について意見を交わす中でアクイスは、カジノ内に200台のEGM(電子ゲーミング機)設置の可能性についての提案を受けており、法的要件に関して政府との話し合いを行っていると話した。ACTの法律の下では、カジノ・キャンベラはこれまでEGMの営業を行うことができなかった。