2024年IR開業を目指している和歌山県で19日、「和歌山IRビジネス構築セミナー」が開催された。会場となった和歌山市内のホテルには海外IR事業者をはじめ、県内の中小企業と国内の大手金融機関、建設会社など200社、300人が出席し、関心度の高さを表していた。
はじめに、県の横山達伸企画政策局長が「認定区域に関して地域は考慮しないとのこと。和歌山は関西国際空港や京阪神に近く、歴史や文化、自然が残っており、食材も豊か。選ばれる可能性はかなりあるだろう。適切な事業計画を立てれば認定されると考えている」と意気込んだ。
その後はディスカッションに移り、和歌山大学元学長の小田章氏らがIRの経済効果、和歌山の強みや、誘致へ向けた提言などを行った。続いて、マカオでIR施設の運営を手掛けるナイル・マーレー氏らが「関西に2つのIRは実現するか」をテーマに講演。「IRビジネスは多岐にわたる。街の中にもうひとつ街があるようなものだ」と力説した。
最後は和歌山に魅力を感じているIR業者が登壇し、アピール合戦。(ブルームベリー・リゾーツが運営する)ソレア・リゾートの桐山満啓氏が「こんな機会を待ち望んでいた。大阪、和歌山は住み分けが可能で相乗効果が見込める」と話せば、バリエールのジャタナン・ストロック氏は「近いうちに和歌山に事務所を設ける」と表明。モヒガン・ゲーミングのマット・マウラー氏は人口減少傾向にあった米コネチカット州での成功例を引き合いに出し「何でも聞いてください。いつでも話はできる」と流ちょうな日本語で笑顔をふりました。
出席した地元企業の反応も上々だった。観光開発に力を入れている警備会社の中村玉緒社長は「人手不足は大きな課題。人口流出が続く和歌山でIRは魅力的」と目を輝かせていた。