東京地裁は、岡田和生氏の息子、岡田知宏氏が妹の裕美氏に対して起こした訴訟で、家族経営のオカダHDから父の和生氏を追放することとなった兄弟間の2017年の信託契約に関し、同氏に有利な判決を下した。
知宏氏と裕美氏が2017年に信託契約を結び、運営権を握ろうとしたことから、日本ゲーミング業界の大御所である和生氏は、オカダHDから放逐された。なお、同社は所有するゲーム機メーカー、ユニバーサルエンターテインメント社の株を68%保有している。
同社の株保有率だが、和生氏が46.38%、知宏氏が43.48%となっており、同社を実効支配するには、株保有率9.78%の裕美氏をどちらが取り込むかがカギとなる。
しかし、当初は兄の知宏氏側についていた裕美氏は、その後の数ヶ月で父の和生氏と和解。裕美氏は、兄の知宏氏に騙されて2017年5月に信託契約を結んだとして、知宏氏とユニバーサル社の両方を父と共に香港で訴えた。知宏氏は、この信託契約は有効であるとして、東京地裁で訴訟を起こした。今週行われた裁判では、信託契約が実際に有効であったとの判決が下された。
判決内容にもかかわらず、岡田和生氏陣営は、裕美氏が控訴すると一夜にして発表。
岡田氏の代理弁護人もまた、ユニバーサル社の経営権を握り、そしてフィリピンの統合カジノリゾート、オカダ マニラが運営するユニバーサル社の子会社、タイガーリゾートレジャー&エンターテインメント社(TRLEI)をフィリピン証券取引所に裏口上場させるという計画を防ぐためにも、継続して控訴すると約束。
「オカダHDの正当な所有者として、自社および自らの財産に関する問題で、どうして彼に相談できないのか」と、Inside Asian Gamingに送られた声明で発言。
「彼はその取引で全く相談されておらず、裏口上場に関与した者に対して訴訟を申し立てるだろう」
TRLEIはまた、裏口上場が完了次第、オカダ・マニラの社名を変更する予定でもある。