マカオのコンセッション保有者であるSJMホールディングスでの経営構造の再編成の可能性が「先延ばしにされている」とこの問題に詳しい多くの専門家が語る。しかし木曜に明かされたパンシー・ホー氏のパワープレイが同社の行く先を変えられるかどうかについては結論が出ていない。
Inside Asian Gamingの報道によると、ホー氏が会長を務める香港を拠点とする信徳集団(シュンタックホールディングス)が先週水曜に、これはSJMとその筆頭株主であるSTDMの両方の取締役会の編成に対してより大きな発言力を持つための新たな5勢力の同盟であり、そこにはホー氏自身、ランスフォードで彼女が支配する別の2社、インタードラゴンそしてフォク・ファンデーションが含まれると発表した。
その同盟は合計でSTDMの株式の53%を保有している。STDMはSJMの株式の54%を保有する。
その動きへの見解を求められ、匿名を条件にしたある内部関係者はIAGに対して、SJMの経営陣の変更は「先延ばしにされており、SJMの運営を修正するには何年もかかる一方でこれが出発点になり得る」と話した。
また、現在の経営を「破滅的な操縦」のかじを取ってきたと説明し、「コタイ(建設中のグランド・リスボア・パレス)がこの会社のお決まりのパターン以上のことをするということに自信を持つのは困難だった。何か変化が必要だ、そして政府でさえもこの再編成の動きを後押ししてくれるだろう」と言う。
しかし、投資顧問会社のバーンスタインのアナリストは木曜、文書の中で、パンシー・ホー-フォク同盟は梁安琪(アンジェラ・レオン)氏を含む現在の経営陣と、新しいメンバーとの間で「醜い戦い」となる可能性が高いことを警告した。
「再編成に向けた以前の試みは物事をより複雑にした」とバーンスタインは述べている。「パンシー・ホー-フォク同盟がSJMの方向性を変え得るという希望はこの段階では単なる『希望』に過ぎない。SJMの組織にはいまだ深く根付いた影響力が残っており、確実な真の変化が近い将来から中期的に表れることについては疑問が残る」
現在の状況の複雑さに加えて家族関係の問題がある。マカオゲーミング界の父であるスタンレー・ホー(何鴻燊)氏の昨年の正式引退の後に生まれたSJMの新構造の下で、同社は現在4名が会長職についており、ホー氏の娘デイジー・ホー会長、フォク・ファンデーションのティモシー・フォク氏、ホー氏の4番目の妻であるアンジェラ・レオン(梁安琪)共同会長そしてアンブローズ・ソー副会長がいる。パンシー・ホー氏はデイジー・ホー氏の実の姉妹で、パンシー氏とレオン氏との関係はさらに冷え切っており、パンシー・ホー-フォク同盟からのいかなる挑戦においてもレオン氏が一歩も譲らないのはそれが原因だ。
「今年いくつか経営陣の変更が行われるかもしれない(現職で長きにわたりCOOを務めるルイス・ウ氏が引退の可能性)、しかし2人の主要人物である執行役員のアンジェラ・レオン氏とCEOのアンブローズ・ソー氏を入れ替えるのはそう単純ではない可能性がある」とバーンスタインは指摘する。
「レオン氏とソー氏(その他の経営陣と共に)はいまだSJMに直接的に重大な影響力を持っており、SJMの運営への大きな支配権を握っている。彼ら自身の引退の意思無しで、そのどちらかを入れ替えようとすることは醜い戦いになる可能性がある」