副会長
ギャラクシーエンターテインメントグループ
パワースコア: 4,490
昨年の順位: 1
評価理由
- ギャラクシーをマカオゲーミング界の事実上の王者へと押し上げた
- 大きな流動性によって、ギャラクシーをコロナ禍を乗り切る上で誰よりも有利な位置に立たせた
- モンテカルロのカジノ事業者SBMおよびウィン・リゾーツに戦略的株数を保有
マカオにいる人全員と同じように、ギャラクシーエンターテインメントグループ(GEG)もコロナ禍の経済的苦痛を感じてきた。2020年に40億香港ドル(570億円)の損失を報告したGEGは、辛うじて2021年上半期に90万香港ドル(1,280万円)の利益へと戻したところだが、近頃続く新型コロナの不安な状況と10月の大型連休あたりの入境制限が21年下半期の結果にどう影響を与えるか疑問を投げかけている。
しかし、フランシス・ルイ氏が指揮しているGEGは保守的な財政方針を維持しており、コロナ禍を乗り切るために巨額の新規融資や銀行の権利放棄に大きく依存するマカオの他のどのカジノコンセッション保有者よりも良い状況にある。8月に公表された最新情報によると、同社は2021年6月末時点で430億香港ドル(6,110億円)もの流動性の高い資金、そして316億香港ドル(4,500億円)のネットキ ャッシュを保有しており、マカオの「ビッグ6」の中でネットキャッシュを持っているのは同社のみとなっている。
そして2022年には、コロナ禍、そして6月26日のゲーミングライセンス期限をめぐる不透明感の中でさえも、期待できることがたくさんある。
当初2021年のオープンを予定していたものの、新型コロナの影響で延期されたギャラクシー・マカオ第3フェーズは、同年のマカオで最も大規模な施設のオープンとなるだろう。新たにゲーミングや非ゲーミングの要素が追加される予定で、ギャラクシー・インターナショナル・コンベンションセンター、アンダースホテル、シンガポールの有名ホテルブランドで450室のスイートを有する全スイートのラッフルズ・アット・ギャラクシー・マカオなど多くの施設が作られる。
ギャラクシー第3フェーズの後、間を置かずに第4フェーズが続く予定で、その2つのフェーズでギャラクシー・マカオは、ハイエンドのファミリールームやヴィラを通じてプレミアム層をターゲットにする8つのホテルブランド、合計3,000室を加えることになる。
これは、最高級のリッツカールトンや高級ホテルブランドであるオークラ及びバンヤンツリーを含む6つのホテルを現在持つGEGの旗艦施設で提供している客室数の倍以上の数となる。
これは、ギャラクシーがマカオで市場シェアを拡大させることにも役立つとアナリストは語る。現在約21%の市場シェアでサンズ・チ ャイナに次ぐ2位となっているGEGだが、第3、第4フェーズが全面開業すれば、VIP部門でGEGのシェアは少し拡大し、そしてより利益の多いマス市場では大きく拡大すると予想されている。
おそらく、GEGのマカオ拡張計画があまりに大規模であったために、以前は日本IR、中でも横浜に関心を示していたが、5月にほとんど話題になることなく日本でのIRライセンス獲得の取り組みを中止することができた。横浜が新市長の下で最近IR誘致を撤回したことを考えると、この件に関するGEGの決断はさらにいっそう巧妙に見える。
この考え抜かれたアプローチこそが、ギャラクシーの成功の骨格を形成している。そして成功をより素晴らしいものにさせているのが、ギャラクシーエンターテインメントグループが2002年当時にマカオのゲーミングコンセッションを勝ち取ったとき、フランシス・ルイ氏も、その父でグループの会長であるルイ・チェ・ウー氏のどちらも目立ったゲーミング業界の経験を持っていなかったという事実だ。
それから20年、同社はアジアゲーミング界屈指の企業の1社として、待望のマカオライセンス再入札手続きに向かっている。