メルコリゾーツ&エンターテインメントは、ニューサウスウェールズ(NSW)独立酒類・ゲーミング局による同社のオーストラリアの持株への調査が進む中、豪カジノ事業者クラウンリゾーツの第2トランシェの株式取得計画を破棄した。
クラウンの9.99%の株式からなるこのトランシェは、同数の2度に分かれた取引で合計19.98%の株式を取得するために、メルコと、クラウンの過半数株主でジェームス・パッカー氏が支配するCPHクラウン・ホールディングスの間で交わされた契約に関係している。メルコは、第1トランシェの67,675,000株を2019年6月に取得した。
木曜遅くに出した文書の中で、メルコは、クラウンリゾーツの第2トランシェ取得のためにオーストラリアで計画していた投資をこれ以上続行しない予定で、メルコとCPHクラウン・ホールディングスは、第2トランシェ購入義務を終了することに合意したと述べた。
この決定の同日、オーストラリアメディアの中で、メルコがNSW独立酒類・ゲーミング局に対して訴訟を提起したというニュースが浮かび上がり、その中でメルコは、同規制機関がメルコによるクラウン株19.98%の取得への調査に乗り出したことによって、その権限の範囲を超えていると主張した。
しかしながら、メルコは木曜、クラウン株の保有割合を制限するその決定の理由を、新型コロナウイルスの影響、そしてその後アジア全土の既存施設に集中する必要があるためだとした。
同社はこのように述べた。「アジアでその地域の統合型リゾート施設への旅行が激減したことなど、新型コロナウイルス流行の影響、そしてマカオ政府による特別行政区内の全カジノの閉鎖という最近の決定によって、メルコは2020年に行う予定だった中核事業以外への全投資を再査定するという決断をした。
この決断は、従業員、顧客、事業パートナー、その他利害関係者へのメルコのコミットメント、そして世界的な衛生上の緊急事態、および当社顧客ベースの大部分に影響を与える関連の旅行制限が解除されるまで、できる限りの責任を果たすという当社の決意を反映している。
メルコは、自社の中核事業は自分たちが運営し、過半数株主になっているビジネスだと考えている。これには、マカオ、フィリピン、キプロスでの事業、そして日本でメルコ所有のIRを運営するためのライセンス獲得に向けた努力が含まれている。
メルコは、継続してこれらの法域で事業を行い、スタジオシティ第2フェーズやシティー オブ ドリームス・メディテラニアンの建設など、マカオ、マニラ、キプロスそして日本のために現在割り当てられた主要投資を実行していく。経営陣の意識は、アジア全体の業務やビジネスが通常の状態に戻るまで、メルコのビジネスのこれら重要な分野に集中したままでいる。
メルコは、クラウンが国際事業を補完する世界レベルの資産だと信じている一方で、この状況においては、自社の資本は中核資産に割り当てられるきだという考えを持っている」
メルコは、最初に取得したクラウン株9.99%を保持する一方で、クラウンの取締役会の座席はもう求めないと付け加えた。