利益を生むプレミアムマス市場に関する知識の不足が継続して懸念材料になっていることで、SJMがコタイに建設中の統合型リゾート、グランド・リスボア・パレスの短期的な成功が疑問視されているようだ。
これはサンフォード C バーンスタインのアナリストの見解で、彼らはSJMが7月に2020年12月の開業日の変更を明かした後に、さらなる遅れが出る可能性があるとも警告している。
アナリストのヴィタリー・ウマンスキー氏、ユーニス・リー氏そしてケルシー・ヂゥー氏は、「コタイで『継続して』遅れが出ることで、SJMはマーケットシェアを失い続けることになる。そして最終的にグランド・リスボア・パレスが開業したとしても、強気でいられる要素はほとんどない。MGMコタイの成長が予想よりも遅いことから分かるように、コタイの新施設は簡単に上手くいくようなものではない。
カギとなるのはプレミアムマス。SJMはこの層に対してこれまで有効な戦略を実行できておらず、コタイの施設では厳しい状況に直面することになるだろう。
(たとえ半島でのマスのパフォーマンスが若干の改善を示したとしても)、近い将来または中期的に同社に利益をもたらす会社特有の促進要素は見あたらない。
高い利益を生み出すプレミアムマス市場をとらえる戦略が一切ないこと、そしてコタイの開業が遅れ続けていることは、経営陣の方針とフォーカスの根本的な問題だ」
それらの懸念にもかかわらず、バーンスタインはSJMの株価は現在限定的な下落を示していると見ており、予測されるリスクに反応する形で5月に記録した2019年最高値の10.62香港ドル(約145.95円)から8.00香港ドルへと37%下落している。
しかしながら、グランド・リスボア・パレスの開業日が2020年後半に先延ばしにされ、建設費用が360億香港ドルから390香港ドルに増加した今、彼らはさらなる遅れが出ても驚かないとも警告する。
アナリストは、「我々はすでにより高い費用を想定していたために、オープンの遅延と費用の高騰は当然のこととして見ている。遅れがさらに延び、最終的な予算が増加したとしても驚かないだろう」と述べた。