ゲンティン香港が、船団拡大の資金調達のためにクルーズ船グローバル企業、ドリームクルーズの35%の株式を売却する契約を交わした。
香港証券取引所への報告書の中で、現在ゲンティンドリーム、ワールドドリームそしてエクスプローラードリームの3隻の船を運航するゲンティン香港は、その保有株式をカナダのTPGダーティングが所有する投資持株会社に売却することに合意したと明かした。TPGダーティングはTPGキャピタル・アジアとTPGグロース・ファンドが所有している。この売却によってゲンティン香港の所有率は100%から65%に減少する。
同社は、臨時株主総会を招集して売却への是非を問う計画はしていないと付け加え、代わりにすでにゴールデン・ホープ、ジューンダラップおよびゲンティングループのタン・スリ・リム・コック・タイ会長で構成される「親しい同盟関係にある」株主グループから書面による株主承認を得ている。
取引によってゲンティン香港は約4.7億米ドル(約500億円)の利益を計上する。
売却の理由について説明する中で、ゲンティン香港は「グループのバランスシートを強化し、クルーズ船業界で船団を継続して拡大する力を強化することができる。売却はまた、ドリームクルーズの事業に関連する将来的な資金要件を満たす中で、グループの財政的負担を軽減することにもなるだろう」と述べた。
特に、売却によって「継続的な拡大とMV Werftenでの2隻の『世界クラス』の船の完成への新しい造船計画に資金をしっかりと出せるようになる」と同社は述べた。2隻のうちの最初の1隻は2021年初めに、そして2隻目は2022年に納品予定。
同社は「アジア太平洋地域でトップのシェアを持つ最大のクルーズ船運営会社として、業界リーダーの地位をさらに活かすことのできるいい位置につけている。取締役会は、最も早い成長を見せるアジアの中産階級市場が魅力的かつ有望な機会を提供してくれると見ており、そこに意識と資源を集中させていく」と述べた。