IAGが、ICEロンドンを主催するクラリオン・ ゲーミングの専務取締役、ケイト・チェンバース氏と対談し、2019年の世界最大のゲーミング業界展示会から何が期待できるのかについて話を聞いた。
ベン・ブラシュク(BB): 2019年のICEから何が期待できるでしょうか?
ケイト・チェンバース(KC):訪問客がICEに何を期待できるのかという質問には私はいつもこのように切り出します。それは、出展者コミュニティの質と創造性を認識するためであり、ゲーミング業界でここを勝る場所は他にありません。あらゆる展示会の出発点は出展者です。素晴らしい出展者が真剣なバイヤーを惹きつけ、バイヤーの数が増えるにつれて、さらに多くの出展者がイベントに興味を持つという流れが繰り返されます。 私たちは、ゲーミング業界で最高峰のバイヤーを集めることに非常に力を入れており、今年は66の国々から612のブランドに参加していただき、44,500平米もの広さで開催する運びとなりました。 ゲーミングバーティカル市場を網羅し、このような大規模であるにもかかわらず、このクオリティーでお届けすることができる展示会は他にありません。 なので、その質問への答えはイノベーション、しかもたくさんのイノベーションです!
BB: ICEは世界最大のゲーミング業界展示会という地位を確立しました。ICEと他の大きな展示会とを分けるものは何なのでしょうか?
KC: ICEロンドンは、既存の有名なブランドと、展示会に初めて登場したかもしれないまったくの新参企業とのバランスがうまく取れています。 また、ゲーミング業界の全バーティカルを網羅しながらゲーミングの全領域もカバーしています。 際立ったUSP(ユニーク・セリング・プロポジション)は、その国際性だと思います。2018年、153の国々から訪問客がロンドンへとやってきました。それは素晴らしい数字であると同時に、ゲーミングユニバースの大きさを物語っています。 それらの点において、ICEロンドンは巨大な観衆とつながっており、ゲーミングで生計を立てる人全員に何かを提供しています。
BB: 近年、オンラインセグメントが大きな成長を遂げるのを見てきました。オンラインと対ランドベースのコンテンツに関して2019年ICEではどのような差別化がありますか?
KC: つい最近まで、オンラインとランドベースとを明確に区別することが正しいとされてきました。しかし、コンテンツへのオムニチャネルアプローチの導入がその議論を変化させました。 物語は今、デジタル世代の消費者のゲーミングエンターテインメントニーズに見合った、人を惹きつけるコンテンツを制作し届けることがテーマなのです。 ゆえに、オンラインでもゲームを展開するブリック・アンド・モルタル(実店舗)のゲーミング会社のためのコンテンツを開発する出展者が参加しています。 コンテンツに関しては以上です。
BB: 2019年のICEで特に見るのを楽しみにしているものはありますか?
KC: 私たちは、ICE VOX会議プログラムを重視し多くのエネルギーを注いできました。 ルールブックを捨て、チャレンジするために設計され、何か違うものを求めている観客を惹きつけ、そして従来の学習の代替となるフォーマットでもって、まったく違うやり方で学習体験にアプローチしました。 また、私が関心を持っていることにも取り組んできました。それは使い捨てプラスチックとそれが環境へ与える影響についての問題です。 この種の最初のイニシアチブの中で、私たちは展示会で最も一般的な廃棄物である展示ボードを収集するために、エコブースとパ ートナーを組みました。 それらはシート素材へとリサイクルされ、地元コミュニティのための各種製品やアウトドア家具のために使用され、エクセル展覧会センター周辺の共用スペースで使用されます。とても良いイニシアチブで、ゲーミングが地球のために何かしているという事を示すことになります。
BB: これを読んでいる読者で、初めてICEに参加を予定している人へのアドバイスはありますか?
KC: 私ができるアドバイスには3つの重要なポイントがあると思います。 まず1つ目に、1日でICEロンドンを回るのは非常に難しいということです。 事前に設定された時間に行われる1つの会議のために来るのでない限り、一日ではICEロンドンが提供するもののほんの表面にしか触れることはできないでしょう。もし可能であれば、もう1日スケジュールに追加してください。 2つ目に、事前のリサーチをしてください。ICEロンドンのウェブサイトと新たに始まったモバイルアプリを使って、誰が展示を行っているのか、そしてどこにブースを出しているのかを調べてください。 3つ目に、履きなれた靴を履いてきてください。新しい靴なんても ってのほかです!初めてICEに参加した、とあるPR関係者は、新しい靴を履いてきてかなりひどく足を痛めてしまい、2日目にはスリッパをはく羽目になってしまったという事でした。そしてそれはまだICEが今の半分の規模だった時のことです。 素晴らしい展示会ではありますが、肉体的にも精神的にも本当に疲れるものなのです!